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今日の一問一答(2007/03/25):各論V-6「心筋・心膜疾患,心臓腫瘍,外傷」
粘液腫は脳塞栓の原因となる。
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答え:○(正答率 93.0%)

解説:粘液腫とは、粘液組織類似の組織からなる腫瘍状病変のこと。結合組織由来とみなされ、発生部位により多少とも組織像が異なっている。

1)心臓粘液腫cardiac myxoma:心内膜より発生して、心房内にポリープ状の腫瘤をつくる。これは毛細血管に富み、器質化血栓由来説と腫瘍説とがある。
2)筋肉内粘液腫intramus cular myxoma:成人の大腿や肩などの骨格筋内に発生し、境界鮮明で再発は少ない。
3)その他,顎骨や副鼻腔の粘液腫、神経鞘粘液腫nerve sheath myxomaなどもある。
古く粘液腫とされたものの大部分は肉腫の粘液変性とみなされる。

心臓の原発腫瘍はまれである。心臓のほとんどの腫瘍は、他の腫瘍から細胞が移動してきた結果(転移)として形成される。粘液腫は、原発の心臓腫瘍としては最も多いものである。粘液腫の80%以上が左心房にあり、多くは心室隔壁に発生し、心房内で育つ。一方、右心房粘液腫も発生する。左心房粘液腫は、1,000,000人におよそ5人の割合で発生する。粘液腫は、女性によく起こるとされている。

左房粘液腫の場合、約半数の症例で脳、腎、四肢などに腫瘍塞栓が起こる

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