ノエビア(東京都中央区)は、慶応大医学部との共同研究で、生体内にあるタンパク質の一種「Wnt(ウィント)5a」が、発毛・育毛に重要な毛乳頭細胞の死を抑制することを発見した。さらに、精油(植物から抽出した揮発性のエキス)に含まれる化合物のひとつである「フェニルエチルアルコール」が、Wnt5aを増加させることも発見。同社はこの研究成果を応用し、今夏にも育毛剤を発売する。

毛乳頭細胞は、毛の伸長にかかわる毛母細胞の機能を調節し、発毛や育毛に重要な役割を果たす。低栄養状態では通常死んでしまうが、Wnt5aを作用させたところ、毛乳頭細胞死を防ぐ効果が確認された。

Wntはこれまで19種類見つかっており、そのうち数種類は毛根組織の形成にかかわるとみられていたが、詳細は未解明だった。この研究成果は、3月28日から富山で行われる日本薬学会で発表する。
(朗報!ノエビアと慶応大、育毛細胞を守る化合物確認)


髪の毛1本1本には寿命があり、伸びては抜け、また新しく生えることをくりかえしています。これをヘアサイクルと呼んでいます。

毛包は、成長期→退行期→休止期→成長期…とサイクルを繰り返しており、このうち成長期が一番長く通常2〜6年間続きます。しかし、いわゆるAGAの方は成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。また、これにはフィナステリドでも有名ですが、男性ホルモン(ヤストステロンが変化したジヒドロテストステロン)が大きく関わっており、結果的には毛乳頭細胞死などが起こって発毛しなくなってしまう、という状態に陥るわけです。

そこで、今回の研究では、成長期における低栄養状態を防ぐ役割を担うと分かったWnt(ウィント)5aの登場というわけです。リアップのような"発毛剤"ではないので、大分進行してしまった場合の効果は分かりませんが、「ちょっとアブナイから、そろそろ対策しようかな」と言う人には、打って付けかも知れませんね。