唾液の分析による簡単で安価な検査法が、早ければ2011年には標準的検査として利用されるようになる見通しだ。医療の場では、非侵襲的な疾患検出方法が強く望まれているが、現在のところ唾液検査は一般的ではない。この現状が変わりつつあるという知見が、ニューオーリーンズで開催された国際歯科研究学会(IADR)年次集会で発表された。
この研究から、すでに口腔癌およびシェーグレン症候群の診断につながる指標が見つかっている。口腔癌は5種類の蛋白と4種類のmRNAによって90%以上の確率で特定することができ、シェーグレン症候群でも数種類の蛋白およびmRNAがマーカーとなるという。米国では毎年3万1,000人が口腔癌と診断され、約7,000人が死亡しており、唾液検査による早期発見の実現が期待される。シェーグレン症候群の患者数はさらに多く、米国では400万人以上が罹患している。
米国歯科研究学会(AADR)は、唾液は血液や尿と同じように重要な情報の宝庫であるとして、Wong氏らの取り組みを支持。すでに、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、肝炎(A、B、C型)、乳癌、アルツハイマー病および嚢胞性繊維症を唾液から検出する新しい検査法が開発段階にある。将来的には、鉛への曝露や薬物、アルコールの乱用の指標としても唾液が利用されるようになると思われる。
(唾液検査が数年で疾患検出の標準に)
「唾液」による検査なら、簡単で、全くと言っていいほど侵襲性を伴わないといえるものになりそうです。予定としては、2011年に利用できそうとのことなので、そう遠くない未来に登場するとのこと。
まぁ、既存の採血検査などに取って代わるか、といったらそう簡単には代わりそうにありませんが、今後の検査の予測的中率や信頼度によっては「まず、唾液をちょいと採りましょうか」と診察室で言われるような時代にもなるかもしれません。ただ、アルツハイマー病も…とまで言い出したら、かなり遠い未来になりそうですが。
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