近年、福建省福州市でDNA鑑定が流行しているという。

1996年には1年間でわずか7件だった鑑定数が、昨年は1000件を超えた。福州市では1996年からの累計でおよそ4000件の親子鑑定が行われたという。

鑑定希望者のほとんどは、妻に隠れてこっそりとやって来る父親だ。鑑定したうちの3割以上で親子関係にないとの結果が出ているという。
(DNA鑑定で、実は他人の子を育てていた父親続出―福建省福州市)


「オレの子だったら、血液型がありえない…」と、自身の子供ではないと判明してしまう、なんて場面がドラマの中でもあります。他にも、「この子は全然、オレに似てない」なんてことで疑いをもったりするんでしょうね。DNA鑑定はダイレクトに血縁鑑定を行い、それで「離婚だ!」なんてことに発展してしまうと言うような危険性もあるのでしょうね。

DNA鑑定とは、DNAの多型部位を検査することで、個人識別するために行う鑑定です。犯罪捜査や、親子など血縁の鑑定に利用されています。あくまで検査で判定できるのは繰り返し数のみであり、その結果は数値でのみ表記されるため、「DNA鑑定」と言うよりも「DNA型鑑定」と称するべきとの提言があります。

ヒトゲノムの全ての塩基配列を調べるわけではなく、「一卵性双生児以外は全て結果が異なる」という認識は誤りだそうです。極めて低い確率ではあるが、理論上は赤の他人であっても(一定の塩基配列で)DNA型は一致する可能性があります。

もちろん、他の検査と同様に、誤りも含む可能性があります。倫理的にも多くの問題を含んでおり、「安易に何でもかんでも」といった風潮は好ましくないように思われます。