タミフル販売元の中外製薬から厚生労働省に報告された副作用が疑われる約1,800件の事例のうち、「暴れる」「動き回る」など何らかの異常な行動を起こしていたケースが100件以上に上ることが4日、同省の集計で分かった。大半が未成年で、10代への処方中止につながった転落死などのケースとは異なり、家族が止めるなどして事なきを得た事例も含まれていたという。

厚労省は4日午後に開かれる薬事・食品衛生審議会の調査会で、約1,800件すべての事例を報告、これらの「異常な行動」を重点的に分析し、因果関係などについて専門家の意見を仰ぐ。

タミフル服用後の異常行動をめぐって同省は先月、マンションから転落したり、国道に飛び出すなどの重大なケースが平成16年以降に計23件あったと公表。13年の発売後に報告された約1,800件の全症例について見直し作業を進めていた。

その結果、中外製薬が「異常行動」として報告した事例のほかにも、報告書類の副作用とみられる症状を記載する欄に「暴れる」「跳び上がる」「動き回る」などの記述があったものが見つかり、合わせて100件以上に上ることが判明。厚労省はこれらのケースを、動作に少しでも異変があった「異常な行動」と判断した。

これらの中には認知症の影響など、薬の副作用以外の原因によるとみられる人もいたが、同省は「先入観を持たずに幅広く症例を拾い上げた」としている。
(タミフル服用後に異常行動100件超 未成年が大半)


"中外製薬が「異常行動」として報告した事例のほかにも、報告書類の副作用とみられる症状を記載する欄に「暴れる」「跳び上がる」「動き回る」などの記述があったものが見つかり、合わせて100件以上に上ることが判明"とのことですが、これを異常行動と言わないと判断したのは、どういった基準によるものなのか、と疑問に思います。

寄付金問題がクローズアップされた後、ようやくこうしたことが明らかになったとすると、やはり隠蔽といった言葉が脳裏をよぎる。タミフルへのイメージや使用規制が行われることを危惧して、副作用の報告を隠していたとなると、大きな問題である。

今後も、より詳細な研究や報告が待たれるところである。

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