
日本産科婦人科学会は現在、代理出産を認めていない。根津院長は12日に東京都内で開いた会見で「必要としている患者さんがいる」などとして代理出産のボランティア募集を発表し、専門家から批判の声が上がった。
根津院長によると、直後から13日までに同院には電話や電子メールでボランティアの申し出があったという。「ニュースで募集を知り、切実な願いを持つ人の役に立ちたい」(根津院長)という女性からだった。
会見では「募集は40代から50代」としていたが、応募者はほとんどが30〜40代で、「30代ではいけないのか」という問い合わせもあった。根津院長は「代理出産を願う人がいながら外国に依存している現実をおかしいと思い、危険を顧みず、声を上げてくれたことに感謝している」と語った。
また、柳沢伯夫厚生労働相が公募に否定的な考えを示していることに根津院長は「日本人が海外でする代理出産を国は看過していた」と反論した。そのうえで「公募は時間的な猶予のない患者さんのために決断したもので、思いつきではない」と語った。
(代理出産:「7、8人が応募」 根津院長へ30〜40歳代、電話やメールで)
根津委員長や向井亜紀さんなどの、不妊に悩む女性達の切なる願いが、ボランティアの方々の心を動かしたのではないでしょうか。
根津院長が会見で語った「代理出産も人間社会の原点である相互扶助精神そのものであります」という言葉は、「ニュースで募集を知り、切実な願いを持つ人の役に立ちたい」という思いをまさに生じさせたと考えられます。
一見、無謀とも思える根津院長の会見は、非常に大きなインパクトを与えたようです。この生じた衝撃を、世間はどう受け止めるのでしょうか。
代理母出産に係る事態を収拾できなくなった厚生労働省及び法務省は、2006年11月30日、日本学術会議に代理母出産の是非についての審議を行うよう依頼を行い、現在、同会議が審議を継続しているところです。
しかし、その間にも、日本弁護士連合会が代理母出産を禁止すべきという2000年の提言の補充提言を発表したり、根津八紘医師が代理母出産の法制化に向けた私案を公表するなど、事態は混迷の様相を深めています。
多くの課題がある一方、代理母出産という選択を切に願う女性たちがいる。
動かざるを得なくなった状況になり、今後の法制化に注目していきたいと思います。
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