国立国際医療センター研究所や国立感染症研究所などは、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)のウイルスを免疫反応で攻撃する抗体を作ることに成功した。まだ開発されていない治療薬につながる可能性がある。中国医学院と協力して動物実験も進めており、来年度には1000人分の薬を作る計画だ。
 
研究チームはほかにキリンビール、東京医科歯科大学、久留米大学など。本来、抗体は病原体に感染すると体内で自然にできるが、SARSのようにウイルスの勢いが強いと抑え切れず、重症になる。あらかじめ抗体を大量に作っておいて患者に投与すれば、治療に役立つとみられる。
(SARSの治療向け抗体を開発、中国で薬に応用へ)


重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS)は、新型肺炎(Atypical Pneumonia, 非典型肺炎)とも呼ばれる新種の感染症であり、SARSウイルスにより引き起こされると考えられています。

2002年11月(広州市呼吸病研究所は7月と発表)に中華人民共和国広東省に発生し、2003年7月に新型肺炎制圧宣言がだされるまでの間に、8,069人が感染し、775人が死亡しました。また、他国にも拡大し、トロント、シンガポール、ハノイなどにも広がりました。

感染症により危機的状況に陥った最近の事例ですが、対策を立てておくことは、非常に重要であると思われます。抗体により、再び多くの犠牲者が出ることを防げたら、と期待されます。

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