熊本市の慈恵病院が「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)の運用を今週にも始めるのに伴い、同市は7日、望まない妊娠に悩む女性からの相談を24時間態勢で受け付ける「妊娠に関する悩み相談電話」を開設した。
 
相談窓口は市庁舎1階の福祉総合相談室の一角に設置。これまでも平日の昼間に対面や電話での相談を受け付けていたが、今後は夜間や土日、祝日も電話を相談員に転送して対応する。
 
熊本市地域保健福祉課の今坂智恵子課長は「一人で悩みを抱え込まず、一緒に解決の方法を探したい。思いがけない妊娠で悩んでいる方などは、ぜひ利用してほしい」と話していた。
 
ポストは今月1日に完成、慈恵病院は10日正午からの運用開始を予定している。
(望まない妊娠で24時間相談 「赤ちゃんポスト」に対応、熊本市)


赤ちゃんポスト(あかちゃんポスト)とは、諸事情のために育てることのできない新生児を親が匿名で養子に出すための容器、およびそのシステムの通称です。目的は、望まれない赤ちゃんを殺害と中絶から守ることにあるそうです。

問題として、「育児放棄を助長する」といった意見や、「保護責任者遺棄罪や児童福祉法、児童虐待防止法に違反する恐れがある」といった点も指摘されている。

厚生労働省は2007年2月22日、「明らかに違法とは言い切れない」として、熊本市に対して設置を認可しています。ですが、今後同様の申請があっても一律に認可するわけではなく、子どもがすぐに適切な看護を受けられ、生命や身体が危険にさらされることのない環境かどうかを個別に検証する必要があったり、児童虐待防止法に抵触しないように個別に判断するともしています。政府の中では、"慎重論"がほとんどを占めているといいます。

電話相談が、果たして「中絶を」とすすめるのか、「産んで育ててみては」とすすめるのかなど、その内容についてどうなっているのか知りたいところです。また、今後、熊本でのテストケースが、全国に波及していくのかどうかなど、動向が気になります。

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