幼児にテレビやビデオを長時間見せると、譲り合いや順番待ちなど人とのつき合いの中で養われる「社交能力」の発達に悪影響を与える恐れがあることが、3歳児1180人を対象にした兵庫教育大などの調査で明らかになった。

対象としたのは、岡山市と岡山県倉敷市で2001年8〜9月に生まれた3歳6か月(調査時)の全幼児2035人で、05年2〜4月にかけて保護者にアンケート調査を行い、1180人が回答。1日当たりのテレビ・ビデオの視聴時間が2時間未満、2〜4時間、4時間以上のグループに分けて調べた。

友達とお菓子を分け合ったり、おもちゃを貸してあげたりなどの譲り合いができる幼児の割合は、視聴時間4時間未満が96・3%だったのに対し、4時間以上は80・2%と低かった。

ブランコなどの順番を待つことができる幼児は、2時間未満が95・1%、2〜4時間が96・3%なのに対し、4時間以上は76・5%。進んで他人の世話を焼く幼児も、2時間未満が84%、2〜4時間が86・4%だったのに、4時間以上は60・5%しかいなかった。

調査した兵庫教育大の加納亜紀さん(現・園田学園女子大助手)は、アンケートで判明した傾向について「長時間視聴が他人とかかわり合う機会を減らしてしまうため」と考えている。
(テレビ長時間視聴、3歳児の「社交能力」発達に悪影響)


「テレビを観ている→コミュニケーション能力の欠如」と短絡的に結びつけることははできないでしょうが、たしかに興味深い研究です。

そもそも、この結果の解釈としては、テレビを長時間観ている家庭と、観ていない家庭では、どんな環境の違いがあるのか、というほうが重要な気がします。想像ですが、テレビを長時間観ている子供の家庭は、両親が忙しく、子供に手が回らず、周囲の子供と社会性を養うための機会を与えることが出来ない、という環境にあるのではないでしょうか。

「子供をおとなしくさせておくためにテレビを観させる」ということが常態化しているようなことであれば、この結果も納得できるように思われます。やはり、周囲のオトナや、子供との関係性から、コミュニケーション能力が養われていくのではないでしょうか。

子供の頃のこうした積み重ねが、社会性のために大事なんでしょうね。

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