新潟県長岡市の県立高校で5日、同校3年の女子生徒(18)が学校内で男児を出産し、男児は死亡していたことが6日、分かった。長岡署は殺人や保護責任者遺棄致死容疑も視野に、女子生徒の回復を待って詳しい経緯を聴く方針。
 
調べでは、女子生徒は5日午後4時ごろ、トイレに駆け込み、午後5時ごろにトイレ個室内で出産したとみられる。その直後、処置に困って友人の同級生に携帯電話で助けを求めた。事情を聴いて5時半ごろには教諭らも駆け付け、洋式トイレの便器内に赤ちゃんが産み落とされているのを発見。へその緒は付いたままだった。
 
学校側は保護者に連絡し、女子生徒と赤ちゃんは校長や両親らに付き添われて市内の病院に運ばれた。赤ちゃんは男児だったが、死亡が確認され、午後9時45分ごろに病院が同署に通報した。
 
男児の体重は約2,800g。女子生徒は5日まで通常通りに登校して授業を受けていた。
 
関係者によると、女子生徒は身長約170センチで比較的太めの体格。腹部の膨らみは目立たなかったようで、両親も学校側も妊娠には気付いていなかった。学校側は6日を臨時休校にし、7日に生徒に経緯を説明する予定という。
(女子高生が学校のトイレで出産、赤ちゃんは死亡…新潟の県立校)


出産の流れとしては、通常妊娠40週頃において、子宮筋が周期的に収縮を繰り返し始めます(「産気づく」といわれる状態です)。最初は、間歇的に突っ張る程度だったのが、だんだん強度と頻度を増していきます。子宮の定期的な収縮が10分間欠、または1時間に6回となった時点で陣痛発来といいます。

子宮の収縮で胎児の頭が子宮口をだんだん押しひろげていきます(子宮口開大と言います)。収縮を繰り返すうちに、胎胞の卵膜が破れて羊水が出ます(破水)。直径10cmで「全開大」。 陣痛と同時に産婦に「努責(いきみ)」がおこり(息を止めて腹に力を加えるような状態)、胎児はゆっくりと回旋しながら産道を下降し、ついには母体から出てきます。

今回のケースでは経過がよく分かりませんが、赤ちゃんは亡くなってしまったようです。死亡原因としては、赤ちゃんの側の原因として、呼吸障害、未熟、感染、頭蓋内出血、また母体側の原因としては、妊娠高血圧症候群、骨盤位を含む胎位異常、胎盤早期剥離、前置胎盤、高年初産、羊水過多、多胎妊娠、その他の妊娠合併症などがあげられます。

また、肥満傾向にある女性が妊娠した場合、妊娠、分娩(出産)、産褥経過の全てにわたって多くのリスクを合併することになります。一歩間違えれば、母胎の生命の危機といった可能性もあったのではないでしょうか。

なかなか周囲の大人達や友人に相談することができなかった気持ちもわかりますが、こうした危険性や赤ちゃんの命を守るためにも、是非とも適切な処置をとっていただきたかった、と悔やまずにはいられません。

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