任天堂が昨年末に発売したゲーム機「Wii(ウィー)」でテニスのゲームに熱中し、肩を痛めたスペインの医師が、この痛みを「急性Wii炎」と名付け、7日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に注意喚起の投稿をした。

Wiiは、画面を見ながらコントローラーを振り回すなどして、ゴルフやテニスなどを実際に似た形でプレーできるゲーム機。

投稿したバルセロナ市のジュリオ・ボニス医師(29)は「日曜の朝、右肩に激痛が走った。何の運動もした覚えがなかった」と自身の体験を伝えた。心当たりは前日、Wiiを買ってから数時間にわたってテニスゲームをしたこと。消炎鎮痛剤を1週間服用し、Wiiを一切しないことで完治したという。

「ゴルフなどのゲームもあり、予想しない筋肉を使うこともありうる。医師はWii炎多発に注意すべきだ」とボニス医師は結んだ。

Wiiは3月末までに世界で約584万台が売れている。任天堂広報部は「強く振り回さなくてもプレーできる、と繰り返し説明している。注意しながら楽しんでいただきたい」としている。
(「急性Wii炎」…ゲームで肩痛のスペイン医師、自ら命名)


ゲームが原因の疾患としては、「Nintendinitis」なるものがあります。
1990年に、35歳の女性が任天堂のゲームを連続5時間プレイしたために腱鞘炎にかかったことを受け、医師が"任天堂ゲーム機のコントローラのボタン操作によって引き起こされる親指の痛み"を「Nintendinitis」と命名したそうです。それだけ普及し、愉しんでいる人がいる、ということの裏返しなんでしょうね。

急性wii炎(Wiiitis)は肩の痛みなど、スポーツ外傷のような症状ですが、テニス肘とは完全には同じというわけではないもののようです。ジュリオ・ボニスの友人も同様の症状を呈していたため、本稿を提出するに至ったようです。

ジュリオ・ボニス医師が、診療してきた中には、まだwiitisと診断された人は居なかったようですが、中にはいたのかも知れない、とのことです。

とにかく、wiiのやりすぎで痛みにお困りの方は、ジュリオ医師のようにwiiをお休みし、消炎鎮痛剤を服用なさる、ということがいいようです。

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