本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。

最近ちょっと太り気味なこともあり、夫に誘われて人間ドックを受診することにした専業主婦のH・K(48)さん。オプションで骨密度検査も受けたところ、骨粗しょう症になっていることが判明。医師から、「この数値だと、いつ骨折してもおかしくない」と警告を受けてしまいました。そしてさらなる検査の結果、彼女を骨粗しょう症へと追い込んだ、思わぬ病の存在が発覚します。

「そんな年でもないのに…」とショックを受けていたH・Kさん。精査の結果、実は慢性腎不全であったことが判明します。

日本腎臓学会の調べによると、慢性腎不全の罹患率は、なんと日本人の6人に1人。実に1900万人の患者がいると推測されています。ところがこの病気、発病してもよほど悪化しない限り、ほとんど症状が出ることはありません。そのため、多くの人が病に気付かないまま放置していると考えられるのです。

最大の要因は、日頃の生活習慣。カロリーの摂り過ぎと運動不足です。こうした生活を続けるうち、腎臓の血管で動脈硬化が進行。充分な働きができなくなっていくのです。

慢性腎不全では、腎臓で「活性型ビタミンD3」を作り出すことが出来ないため、骨粗鬆症になってしまいます。活性型ビタミンD3は、腸管でカルシウムの吸収率を高めています。ですので、活性型ビタミンD3を作り出せない状態では、カルシウムの吸収率が減少し、骨粗鬆症になってしまうと考えられます。

生活習慣によっても骨密度の低下を招いてしまうということがあります。
運動不足やカロリーの摂りすぎなどを気をつけ、特に閉経年齢に近づいた女性は、年に一度は(閉経後、急速に骨密度が低下する人もいるため)骨密度のチェックをなさったほうがよさそうです。

骨粗鬆症では転倒などの衝撃で、容易に骨折してしまいます。特に、大腿骨頸部骨折などでは、高齢者の寝たきりの原因となってしまうため、注意が必要です。50歳代の方でも、大腿骨頸部骨折をおこしてしまうことがあります。手術後のリハビリなどの期間を考えると、非常に大きな問題となります。検診などでチェックを受け、場合によってはビスフォスフォネート系薬剤(骨量を増加させる薬剤)やエストロゲンなどの治療が必要になるかも知れません。

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