ノルウェーの研究チームが男性約24万人の知能指数(IQ)を調べたところ、兄弟の中で先に生まれた子どもほどIQが高いとの結果が出た。22日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。幼児期に兄や姉が亡くなり、最年長児として育てられた場合も、年下の兄弟よりIQが高い。研究チームは、誕生順ではなく、育てられ方の違いが大きな要因になっていると分析している。
1967年からの10年間に第1子を産んだ母親を22年以上追跡。その間に誕生した約58万人のうち、18〜19歳の時に受けた徴兵検査からIQを分析できる男性約24万人を対象に、誕生順、親の年齢や学歴などを調べた。
その結果、第1子の平均IQが103・2と最も高く、第2子は101・2、第3子は100・0だった。ところが、第2子として誕生しても、兄や姉が幼児期に亡くなっている場合には102・9に達した。第3子でも上の2人が死亡した場合には102・6に上昇した。
調査したノルウェー国立労働衛生研究所のペッター・クリステンセン教授は「親が、次の子どもが誕生するまで、最年長児に最大限の注意を注いでいる効果だろう。女性は調べていないので何ともいえない」と話す。米国の専門家は「年長の子どもは家庭教師役を務めることが多いためではないか」とのコメントを寄せた。
(IQ:先に生まれた子は高い 育てられ方の違い!?)
知能指数(IQ:Intelligence Quotient)とは、知能検査の結果の表示法のうちの代表的な方法です。「生活年齢と知能年齢の差」を基準とした「従来のIQ」と、「同年齢集団内での位置」を基準とした「DIQ」の2種類があります。現在では、従来のIQはあまり使われなくなりつつあります。また、検査によってはより細かい「言語性IQ」と「動作性IQ」も決定することがあります。いずれも、平均値は100、標準偏差は15または16です。
IQに関しては、"ほとんどが遺伝で決定される"としたリチャード・ハーンシュタインとチャールズ・マレーによって提唱された説や、「生活環境により左右される」とした広島大学の武村一郎の説もあります。
ですが、このIQは絶対的なその人の知能を示すものではありません。人生の中で、年齢によって変わりうるものです。その点から言っても、絶対不変なものでもなければ、その人の"人生の質"を指し示すものでもありません。
IQは知能全般にわたる能力を示す数値と考えるべきではなく、知能検査の内容に含まれる言語的能力や論理的能力をはかることができる目安程度のものと考えるべきではないでしょうか。今回の研究も、単に「言語的能力や論理的能力」は第一子が高かった、ということだけでしょう。
しかも、「第1子の平均IQが103・2と最も高く、第2子は101・2、第3子は100・0だった」ということなので、本当に微々たる差ではないでしょうか。優位に異なるといったことははっきりといえないのではないか、とも思われます。しかも、出産順位は出産年齢とも関わってきます。「出産年齢とIQの関連性」などということも気になるところではあります。
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その結果、第1子の平均IQが103・2と最も高く、第2子は101・2、第3子は100・0だった。ところが、第2子として誕生しても、兄や姉が幼児期に亡くなっている場合には102・9に達した。第3子でも上の2人が死亡した場合には102・6に上昇した。
調査したノルウェー国立労働衛生研究所のペッター・クリステンセン教授は「親が、次の子どもが誕生するまで、最年長児に最大限の注意を注いでいる効果だろう。女性は調べていないので何ともいえない」と話す。米国の専門家は「年長の子どもは家庭教師役を務めることが多いためではないか」とのコメントを寄せた。
(IQ:先に生まれた子は高い 育てられ方の違い!?)
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IQに関しては、"ほとんどが遺伝で決定される"としたリチャード・ハーンシュタインとチャールズ・マレーによって提唱された説や、「生活環境により左右される」とした広島大学の武村一郎の説もあります。
ですが、このIQは絶対的なその人の知能を示すものではありません。人生の中で、年齢によって変わりうるものです。その点から言っても、絶対不変なものでもなければ、その人の"人生の質"を指し示すものでもありません。
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しかも、「第1子の平均IQが103・2と最も高く、第2子は101・2、第3子は100・0だった」ということなので、本当に微々たる差ではないでしょうか。優位に異なるといったことははっきりといえないのではないか、とも思われます。しかも、出産順位は出産年齢とも関わってきます。「出産年齢とIQの関連性」などということも気になるところではあります。
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