味の素は27日、人工透析に使う透析液で酢酸を添加していない新製品「カーボスター」を発売した。透析液には一般的に水素イオン濃度(pH)を調整するため酢酸を加えてあるが、透析中に患者の血圧低下を招く原因の1つとの指摘がある。味の素はクエン酸で代替し、国内で初めて酢酸無しの透析液開発を実現した。
(味の素、酢酸使わず人工透析液――クエン酸で代替)
人工透析とは、慢性腎不全などの患者さんに2本のカニューレを挿入し、血液を体外へ導出して限外濾過(膜内外の圧力差を利用して水分を除去する方法)と溶質除去(尿毒症性物質などの老廃物除去や電解質の維持)を行う治療です。腎機能が廃絶している場合は週に3回程度必要となります。大きな血流量を得るため、動脈と静脈を体表近くで交通させた内シャントを作成し、ここにカニューレを穿刺します。
一般的には毎回最低4時間透析をする必要があります。また、生体腎では週168時間かけておこなわれる体内浄化を、血液浄化療法では極短時間に行うため、急激な電解質変化と蓄積した尿毒症性物質の急激な減少により不均衡症候群を生ずることもあります。
透析液は正常な血液に近い濃度の電解質を含んでおり、主にこのような成分からなります。
『ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロール、ブドウ糖』
慢性腎不全では、血液中のカリウム、マグネシウム、リン濃度が高くなり、カルシウム、重炭酸濃度が低くなってきます。通常、透析液では血液よりカリウム、マグネシウム濃度を低くし、リンは含まなくすることでこれらを血液から除去し、カルシウムを高くすることで血液に補給しています。
また初期の頃は、アルカリ剤として重炭酸が使用されていましたが、濃度の保持や炭酸カルシウムの析出などの問題により、使用が簡便な酢酸が用いられるようになったそうです。酢酸は代謝速度も速く、効率よくアシドーシスを是正できますが、酢酸のもつ循環器系への影響や、酢酸不耐症の問題も起きることになったそうです。
そこで、クエン酸を用いた透析液が開発されたそうです。普及し、酢酸や重炭酸で補正した透析液に、取って代わるようになるのでしょうか。
【関連記事】
解熱鎮痛薬とは:「バファリン」の商標権を304億円で買収
プラスチックから人工血液を製造
(味の素、酢酸使わず人工透析液――クエン酸で代替)
人工透析とは、慢性腎不全などの患者さんに2本のカニューレを挿入し、血液を体外へ導出して限外濾過(膜内外の圧力差を利用して水分を除去する方法)と溶質除去(尿毒症性物質などの老廃物除去や電解質の維持)を行う治療です。腎機能が廃絶している場合は週に3回程度必要となります。大きな血流量を得るため、動脈と静脈を体表近くで交通させた内シャントを作成し、ここにカニューレを穿刺します。
一般的には毎回最低4時間透析をする必要があります。また、生体腎では週168時間かけておこなわれる体内浄化を、血液浄化療法では極短時間に行うため、急激な電解質変化と蓄積した尿毒症性物質の急激な減少により不均衡症候群を生ずることもあります。
透析液は正常な血液に近い濃度の電解質を含んでおり、主にこのような成分からなります。
『ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロール、ブドウ糖』
慢性腎不全では、血液中のカリウム、マグネシウム、リン濃度が高くなり、カルシウム、重炭酸濃度が低くなってきます。通常、透析液では血液よりカリウム、マグネシウム濃度を低くし、リンは含まなくすることでこれらを血液から除去し、カルシウムを高くすることで血液に補給しています。
また初期の頃は、アルカリ剤として重炭酸が使用されていましたが、濃度の保持や炭酸カルシウムの析出などの問題により、使用が簡便な酢酸が用いられるようになったそうです。酢酸は代謝速度も速く、効率よくアシドーシスを是正できますが、酢酸のもつ循環器系への影響や、酢酸不耐症の問題も起きることになったそうです。
そこで、クエン酸を用いた透析液が開発されたそうです。普及し、酢酸や重炭酸で補正した透析液に、取って代わるようになるのでしょうか。
【関連記事】
解熱鎮痛薬とは:「バファリン」の商標権を304億円で買収
プラスチックから人工血液を製造