最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で紹介されていた内容です。

糖尿病を患い、長年暮らした田舎から娘夫婦がいる東京に移り住むことになったS・M(66)さん。東京へやって来たその日、クーラーが苦手な彼女は、自分は暑さに強いタイプと思い、娘がエアコンを入れてくれようとするのを断ります。

そうして新生活をスタートさせた翌日、孫と二人で留守番をすることになったS・Mさん。その日は朝から30度を超える真夏日でしたが、冷房なんて身体に悪いだけとエアコンを切ってしまいます。事実いくらか汗をかいてはいたものの、彼女はあまり暑さを感じていませんでした。ところが昼下がり、突然、吐き気に襲われたS・Mさん。休んでも吐き気は一向に治まらず、全身が沈み込むような倦怠感にまで襲われるようになります。

あまりの体調の異変に、救急車を呼ぶことを考えました。ですが、近所の人たちが驚いてしまうのでは、と思い、止めてしまいました。そして、ついにはリビングで倒れてしまった彼女。うだるような暑さの室内で、彼女を発見した家族が発見。彼女は病院へと運ばれて行きました。


彼女の診断は、「熱中症」です。熱中症とは、体内に溜まった熱を下げることができず、体温が異常に上昇することで様々な障害が出る疾患です。屋外で倒れてしまうといったイメージが強い熱中症ですが、実は30%が室内で起こっているそうです。

彼女が熱中症で倒れてしまった原因としては、全身の知覚神経の衰えが上げられます。全身の知覚神経の働きによって、暑さ寒さの気温の変化を感じ取っています。ところが、年を取るにつれ、この機能は少しずつ衰えていってしまいます。さらに、糖尿病を患っていたため、暑さ寒さについての知覚機能が鈍くなっていた、と考えられます。また、そのせいで喉が渇いたと、体がなかなか認識してくれなかったようです。

そのため、危険なほど暑い室内で水分を摂らずにいた彼女は、吐き気や倦怠感、そして意識障害を起こして倒れてしまいました。

暑さ寒さといった感覚が鈍くなってきている方は、是非とも室温の変化に気をつけ、水分をこまめに摂るようになさってください。

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