ザ!世界仰天ニュースで取り上げられていた内容です。
1994年オーストラリア・アバディーン。妻との離婚後この街に越してきたジョン・プライズはここで彼の運命を大きく変える女性と出会う。彼女の名はキャサリン・ナイト。食肉工場で働く彼女は美人でやさしくとても気の利く女性。ジョンはすぐに恋に落ちた。キャサリンはジョンの前妻との間にできた子供達とも仲良く、すぐに2人は一緒に暮らし始めることになった。
一緒に暮らし始めると、次第にジョンはキャサリンの中にある「普通」ではない部分を知ることとなる。それはキャサリンの気性にあった。普段はおとなしい彼女だったが些細なことで突然ヒステリーを起こしジョンに暴力を振るっていた。だがその後、急に冷静さを取り戻しいつものおとなしいキャサリンに戻る。ジョンはこんなキャサリンにとまどいながらも生活を共にしていた。
次第にエスカレートしていくキャサリンの行動に悩んだジョンは、ある人物に相談してみることにした。その人物の名はデイビット・ケレット、キャサリンの元夫であった。
彼もまたキャサリンの激しい気性の餌食となっていた。1973年18歳で出会い結婚した2人だったが、すぐにケンカが絶えなくなっていた。やがて2人の間に長女メリッサが誕生。これで彼女も平穏になるかと期待したのだが、突然の逆上は続いた。帰宅が30分遅れたデイビッドをアイロンで殴るなど、度重なる暴力に耐え切れなくなったデイビットは家を後にする。
デビットに捨てられたことで、あろうことか彼女は自分の赤ん坊んを線路に置き去りにした。更にデビットの浮気相手だと思い込んだ女性に襲い掛かったという。この一件を機に病院で精神鑑定を受けることになった。連絡を受け、病院に行ったデイビッドは、医師から思いもしない病名を聞かされた。医師が調べたところ、キャサリンは境界性人格障害の疑いがあった。
キャサリンの過去を聞き、一度は別れを決意したものの、何度も許しを請うキャサリンに折れ、復縁しようとしたジョン。しばらくはおとなしかったものの、ハサミで一突きされ、完全に別れを決意し、接近禁止命令を裁判所に申請する。家に帰ると、キャサリンが荷物をとりにきたという。
自分の荷物をまとめるキャサリンに復縁の可能性をはっきりと否定した。その夜寝室で先に眠ってしまったジョンの前にはキャサリンがたたずんでいた。そして食肉用のナイフをおもむろにジョンに振り下ろした…。
結果として、ジョンは無惨にも息絶えることとなってしまいました。
人格障害とは、認知、反応、外界との関係のパターンに柔軟性がなく、社会にうまく適応できないという精神障害を指します。
特に境界性人格障害では、自己のイメージ、気分、行動、対人関係が不安定です。思考過程に乱れがみられ、その攻撃的な感情はしばしば自分自身に対して向けられます。怒りっぽく、衝動的で、自分のアイデンティティに混乱がみられます。境界性人格障害は、女性に多いそうです。
見捨てられたと感じたり、孤独感にさいなまれると、自分が本当に存在しているのかどうかわからなくなり、現実感を失ってしまうそうです。絶望的なほど衝動的になり、見境のない行動や暴力、自傷行為にはしってしまうそうです。
普段はキャサリンのように、とても温厚でも些細なことがきっかけで感情が激変するなどして、円滑な対人関係を保てない場合が多いそうです。患者は、被害妄想(恋人が浮気をしているのではないか、悪口を言っているのではないかと、事実とは異なることにとらわれる)や見捨てられることへの不安をいつも抱えているそうです。
境界性人格障害をもつ患者は、小児期に保護者による養育の放棄や虐待を経験していることが多いそうです。結果、虚無感、怒り、愛情への飢餓感があり、それを埋めてくれるパートナーを求める傾向にあります。ですが、見捨てられることへの恐怖感に駆られると、気分が一転して激怒し、しばしば異常な激しさで怒りを表します。
DSM-IV-TRの診断基準では、以下9項目のうち5つ以上を満たすこととなっています。
治療としては、薬物療法、カウンセリングが行われます。
薬物療法では個々の患者さんの問題となっている精神症状(抑うつ感、感情の激しい起伏、衝動性など)を抑えます。ただ、抗うつ剤は奏功せず、その作用は限られたものだそうです。抗精神病薬や抗不安剤では行動化をおさえることは困難とのことです。衝動のコントロールが極めてわるいときにはクロルプロマジン、カルバマゼピンなどを適宜使用します。
カウンセリングでは認知行動療法、弁証的行動療法などの手法を用いて心が安定するようトレーニングします。
また、治療契約を守らせる、といったことも最初に必要となるようです。
1.完全予約制を守ること(気ままに来院しないこと)
2.行動化を抑えること(具体的には自傷行為や万引き、自殺企図などを禁じることを告げる)
3.入院にあたっては病院や病棟の規則の遵守
奏功する薬があるわけではなく、治療には長い時間や周囲の理解が必要となります。単に患者本人の人格の問題ということだけでなく、周囲の人たちにも被害が及ぶということもあり、専門家との連携が望まれます。
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1994年オーストラリア・アバディーン。妻との離婚後この街に越してきたジョン・プライズはここで彼の運命を大きく変える女性と出会う。彼女の名はキャサリン・ナイト。食肉工場で働く彼女は美人でやさしくとても気の利く女性。ジョンはすぐに恋に落ちた。キャサリンはジョンの前妻との間にできた子供達とも仲良く、すぐに2人は一緒に暮らし始めることになった。
一緒に暮らし始めると、次第にジョンはキャサリンの中にある「普通」ではない部分を知ることとなる。それはキャサリンの気性にあった。普段はおとなしい彼女だったが些細なことで突然ヒステリーを起こしジョンに暴力を振るっていた。だがその後、急に冷静さを取り戻しいつものおとなしいキャサリンに戻る。ジョンはこんなキャサリンにとまどいながらも生活を共にしていた。
次第にエスカレートしていくキャサリンの行動に悩んだジョンは、ある人物に相談してみることにした。その人物の名はデイビット・ケレット、キャサリンの元夫であった。
彼もまたキャサリンの激しい気性の餌食となっていた。1973年18歳で出会い結婚した2人だったが、すぐにケンカが絶えなくなっていた。やがて2人の間に長女メリッサが誕生。これで彼女も平穏になるかと期待したのだが、突然の逆上は続いた。帰宅が30分遅れたデイビッドをアイロンで殴るなど、度重なる暴力に耐え切れなくなったデイビットは家を後にする。
デビットに捨てられたことで、あろうことか彼女は自分の赤ん坊んを線路に置き去りにした。更にデビットの浮気相手だと思い込んだ女性に襲い掛かったという。この一件を機に病院で精神鑑定を受けることになった。連絡を受け、病院に行ったデイビッドは、医師から思いもしない病名を聞かされた。医師が調べたところ、キャサリンは境界性人格障害の疑いがあった。
キャサリンの過去を聞き、一度は別れを決意したものの、何度も許しを請うキャサリンに折れ、復縁しようとしたジョン。しばらくはおとなしかったものの、ハサミで一突きされ、完全に別れを決意し、接近禁止命令を裁判所に申請する。家に帰ると、キャサリンが荷物をとりにきたという。
自分の荷物をまとめるキャサリンに復縁の可能性をはっきりと否定した。その夜寝室で先に眠ってしまったジョンの前にはキャサリンがたたずんでいた。そして食肉用のナイフをおもむろにジョンに振り下ろした…。
結果として、ジョンは無惨にも息絶えることとなってしまいました。
人格障害とは、認知、反応、外界との関係のパターンに柔軟性がなく、社会にうまく適応できないという精神障害を指します。
特に境界性人格障害では、自己のイメージ、気分、行動、対人関係が不安定です。思考過程に乱れがみられ、その攻撃的な感情はしばしば自分自身に対して向けられます。怒りっぽく、衝動的で、自分のアイデンティティに混乱がみられます。境界性人格障害は、女性に多いそうです。
見捨てられたと感じたり、孤独感にさいなまれると、自分が本当に存在しているのかどうかわからなくなり、現実感を失ってしまうそうです。絶望的なほど衝動的になり、見境のない行動や暴力、自傷行為にはしってしまうそうです。
普段はキャサリンのように、とても温厚でも些細なことがきっかけで感情が激変するなどして、円滑な対人関係を保てない場合が多いそうです。患者は、被害妄想(恋人が浮気をしているのではないか、悪口を言っているのではないかと、事実とは異なることにとらわれる)や見捨てられることへの不安をいつも抱えているそうです。
境界性人格障害をもつ患者は、小児期に保護者による養育の放棄や虐待を経験していることが多いそうです。結果、虚無感、怒り、愛情への飢餓感があり、それを埋めてくれるパートナーを求める傾向にあります。ですが、見捨てられることへの恐怖感に駆られると、気分が一転して激怒し、しばしば異常な激しさで怒りを表します。
DSM-IV-TRの診断基準では、以下9項目のうち5つ以上を満たすこととなっています。
1.見捨てられ不安
2.理想化とこき下ろしに特徴づけられる不安定な対人関係
3.同一性の障害
4.衝動性
5.自殺企図
6.感情不安定
7.慢性的な空虚感
8.怒りの制御の困難
9.一過性の妄想様観念/解離
治療としては、薬物療法、カウンセリングが行われます。
薬物療法では個々の患者さんの問題となっている精神症状(抑うつ感、感情の激しい起伏、衝動性など)を抑えます。ただ、抗うつ剤は奏功せず、その作用は限られたものだそうです。抗精神病薬や抗不安剤では行動化をおさえることは困難とのことです。衝動のコントロールが極めてわるいときにはクロルプロマジン、カルバマゼピンなどを適宜使用します。
カウンセリングでは認知行動療法、弁証的行動療法などの手法を用いて心が安定するようトレーニングします。
また、治療契約を守らせる、といったことも最初に必要となるようです。
1.完全予約制を守ること(気ままに来院しないこと)
2.行動化を抑えること(具体的には自傷行為や万引き、自殺企図などを禁じることを告げる)
3.入院にあたっては病院や病棟の規則の遵守
奏功する薬があるわけではなく、治療には長い時間や周囲の理解が必要となります。単に患者本人の人格の問題ということだけでなく、周囲の人たちにも被害が及ぶということもあり、専門家との連携が望まれます。
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