ドイツの59歳の女性が、4歳の時から頭の中に入ったままになっていた鉛筆の大部分を手術で取り出した。女性はこれまで、この鉛筆が原因で頭痛や鼻血に悩まされていた。6日付のビルト紙が伝えた。

女性は同紙に対し「鉛筆は皮膚を貫通して頭に中に入ってしまった」と当時の様子を説明。鉛筆を手に持ったままで転倒したのだという。

刺さった鉛筆は脳の重要な部分をわずかに外れていた。当時は誰も手術を考えなかったが、現在では医者が摘出できるだけ十分なテクノロジーが発達している。

ただ、鉛筆の大部分は手術で摘出されたものの、先端の2cmは抜くのが困難だっため、取り出さずにそのまま残された。
(ドイツの女性、55年ぶりに頭から鉛筆を摘出)


こうした頭部の外傷は、頭に外力が作用したために生じたあらゆる損傷を指します。発生の時期によって、急性期(外傷より3日以内)、亜急性期(外傷より4〜20日くらいまで)、慢性期(外傷より3週以降)の3期に分かれます。

頭部外傷の分類には種々ありますが、一般的には開放性と閉鎖性に分けられ、さらに部位により頭皮、頭蓋骨、頭蓋内に分けます。もちろん頭蓋内、とくに脳の損傷の程度が最も重要視されます。

原因不明の頭痛と病気による頭痛のほかに、「何かが刺さったまま」という原因があるのは、こうしたニュースではもはやお馴染みではないでしょうか。以前にも、オーストラリアのラグビー選手が頭痛を訴え、病院で診察を受けたところ、数カ月前の試合で激しくぶつかった相手選手の歯が、頭部に埋まっていたことが分かったという事例がありました。

他にも、ナイフが頭に刺さっているのに気づかず、頭痛を訴えて受診して初めて判明したという例があるそうです。

今回のケースでは、「鉛筆を手に持ったままで転倒した」とのことなので、前方下部から斜め上方に刺さっていったのではないか、と考えられます。どこの部分を刺したのかは不明ですが、99年に東京都杉並区の保育園児が割りばしをくわえたまま転倒し、頭蓋内損傷で死亡したケースもあります。

是非とも、お子さんがこうしたものを手にしたまま、走り出したりしないようにお気をつけください。

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