オーストラリアの男性向け週刊誌「Zoo Weekly」が読者向けの懸賞として豊胸手術の費用提供を企画したものの、違法の可能性があるとして捜査を受けることになった。同国当局が14日に明らかにした。

同誌は「あなたの彼女に豊胸手術を」として、当選者に対し1万豪ドル(約100万円)の手術費用を提供すると発表。しかしニュー・サウス・ウェールズ州当局は、賞品として美容整形を提供することを禁ずる法律にこの懸賞が違反している可能性があるとして捜査を命じた。

「Zoo Weekly」のポール・メリル編集長は有力紙シドニー・モーニング・ヘラルドに対し、賞品として提供されるのは豊胸手術そのものではなく、その手術費用であるため懸賞は合法であると主張した。

オーストラリア形成外科医協会のハワード・ウェブスター会長は、この懸賞による手術を行った医者は、登録がはく奪される可能性があるとしている。
(豪雑誌の懸賞に豊胸手術費用、当局が違法性捜査へ)


『賞品として美容整形を提供することを禁ずる法律』なるものがあるのに驚きです。それにしても、男性雑誌であることが不思議なところです。

豊胸手術とは、その名の通り乳房を大きくする手術を指します。一般的には、豊胸手術は人工乳房を乳房の下に埋め、乳房を下から持ち上げて、バストのボリュームを上げるものです。

最近では、食塩水が注入されたバッグを胸に埋め込みます。また、脂肪吸引を同時に行う場合は、脂肪注入を行うところもあるそうです(ですが、脂肪が吸収され、結果として小さくなってしまったり形成が難しいなどの難点や感染症のリスクなどが指摘されています。また、乳腺学会などにおいて美容外科における膿瘍形成の報告が多く、決して安全な治療とは認められていないことや、石灰化することで乳癌検診の際に引っかかることなどが問題視されています)。

人工乳房の埋め方は、脇の下を2〜3mm切開して、そこから人工乳房を胸部に埋め込みます。乳輪または乳首から切開して人工乳房を埋める方法ではないので、傷跡が残りにくいと考えられます。また、人工乳房を乳房の真下に埋めるより、胸部の下側に埋める方が、人工乳房の皮膜拘縮の原因で固くなってしまったとき、自然な動きが維持できるとされています。

それにしても、彼女に「胸を…大きくしないか?」と切り出すのは、躊躇われないのでしょうか。ちなみに、国内での『あなたの理想は何カップ?』という質問には、男女ともにCカップという回答しています。ですが、中には"Fカップ以上"という男性もいるようなので、難しいところです。

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