最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。

夫婦で下町の洋品店を営むS・K(46)さんは、誰もが認める商店街のマドンナ。
しかし近頃、自慢の黒髪がやけに抜け落ちるのが気になっていました。「もう50歳近いんだから仕方ない」と半ば諦めつつも、毎晩頭皮マッサージを心がけるようになったS・Kさん。しかし、抜け毛はどんどんひどくなるばかりか、突然イライラすることが増え、更なる異変も現れました。起こってきた症状は、以下の通りです。
1)抜け毛
2)髪の毛が細くなる
3)イライラする
4)動悸・発汗
5)首が太くなる

病院に行き、告げられた診断名はバセドウ病でした。


バセドウ病とは、体内に甲状腺を刺激する抗体(甲状腺刺激ホルモン受容体刺激抗体)が生じ、それが甲状腺刺激ホルモン (TSH) の代わりに甲状腺を過剰に刺激するために、ホルモンが必要以上につくられてしまう病気です。

バセドウ病は、男性よりも圧倒的に女性に多いといわれています。20代から40代を中心に、成人女性の300人に1人は患っているといわれます。

甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を高めるホルモンであり、そのため、甲状腺ホルモンの異常高値によって代謝が異常に活発になることで、心身に様々な影響を及ぼします。たとえば、心臓機能の亢進から動悸が起こってくる、新陳代謝の活発化から発汗過多(汗をかきやすい)、夏の暑さに耐えられない、内分泌のバランスが崩れて精神的に不安定になる、イライラする、集中力が低下するといったことです。

S・Kさんを襲った「抜け毛」は、何らかの原因で甲状腺の免疫システムに異常が発生し、甲状腺の中の細胞を異物と間違え攻撃したため、ホルモンが過剰に分泌。猛烈な勢いで新陳代謝が行なわれた結果、髪の毛は成長するよりも早く、次々に抜け落ちていってしまったと考えられます。

「首が太くなる」という異変は、甲状腺が大量のホルモンを分泌し、腫れあがったものです。これこそがバセドウ病最大のサインで、早期発見の手がかりとなります。

バセドウ病では、他にも眼球突出、高血圧、甲状腺クリーゼという生命にかかわってくる状態に陥ることもあります。S・Kさんは治療を根気よく続けた結果、1年後には病のコントロールに成功。以前と同じ様な生活を送れるようになったそうです。内科的に(服薬によって)治療することも可能なことが多いようです。もしかして、と思ったら是非、病院へ。

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