チバビジョンが開発した「O2 オプティクス」は、高い酸素透過性を確保するために開発された新素材「シリコーンハイドロゲル」を採用。従来の同社製品に比べ約6倍もの高い酸素透過率と低い含水率を実現。独自のレンズ表面加工(プラズマコーティング)により、レンズが涙になじみやすく、目の乾きも軽減する。

京都府立医科大の横井准教授は、目の乾燥が気になる人のコンタクトレンズ選びのポイントは「(1)含水率が低いもの(2)酸素透過性が高いもの(3)材質はたんぱく質などの汚れがつきにくい非イオン性のもの。必ず、眼科医による検査を受けること。間違ったコンタクトレンズを選ぶと、ドライアイの症状が強くなることがある」という。

★チバビジョン「O2オプティクス」=1カ月交換ソフトコンタクトレンズ。「シリコーンハイドロゲル」を採用し、同社従来品の使い捨てソフトコンタクトレンズに比べ6倍の酸素透過率(Dk/t値)175を実現。長時間使っても充血しにくい。含水率も24%と低いので目の乾きも軽減する。非イオン性素材と独自のコーティング技術によって、汚れにくい。
 
★ジョンソン・エンド・ジョンソン「アキュビューオアシス」=2週間交換ソフトコンタクトレンズ。うるおい成分(親水性高分子)をより多く取り込む独自の技術で、レンズ全体の水分保持力、水濡れ性がアップ。乾燥感を軽減し、みずみずしさを保つ。目に有害な紫外線もカット。

★メニコン「メニコンティニュー」=酸素透過性ハードレンズ。高い酸素透過性とともに、やさしい着け心地、上質な見え方を追求。眼科医の指導の下、最長30日間連続装用も可。定額制コンタクト「メルスプラン」専用商品。
 
★ボシュロム・ジャパン「ピュアビジョン」=1週間連続装用ソフトコンタクトレンズ。独自の新素材「バイオシリコーン・ハイドロゲル」で、高い酸素供給量を確保して、就寝中も角膜を裸眼と同レベルに保つ。特殊加工で優れた水濡れ性を実現し、涙液層を安定的に確保。涙の循環を妨げない形状で角膜へのレンズの張りつきを防ぐ。
(患者数1000万人? 危ないドライアイ)


ドライアイとは、涙の量が少なくなったり、成分が変化する事により、眼球の表面が乾燥し、傷や障害が生じる病気です。涙が減少すると、涙の役割が低下し、眼は乾いて角膜が傷つきます。重症になると角膜の表面に無数の傷がつきます。結果として、目の乾燥感や目の疲れがでたり、肩が凝ったり、頭痛を引き起こしたりしてしまいます。集中力の低下により、仕事の能率低下なども問題となることがあります。

最近では、コンタクトレンズ、とくにソフトコンタクトレンズで問題となることが多いようです。全国の眼科医療機関に対して行ったコンタクトレンズ眼障害の調査によれば、10%の人になんらしらかの障害が起こっているようです。

角膜は、涙から酸素を取り入れていますが、角膜がコンタクトレンズに覆われると酸素不足になり、角膜は傷つきやすくなってしまいます。さらに、コンタクトレンズを装用している目では涙の量が不安定なことが多く、角膜表面が乾燥して、ドライアイを引き起こしてしまいます。

安全性や装用感などの追求のため新素材として、シリコーンハイドロゲル素材が注目を浴びています。

これまで各メーカーは、高い酸素透過性を保てる高含水レンズや薄いレンズを発売してきましたが、その反面、先述の様に水分を多く含むと乾燥しやすく、また、薄いと破れやすいなど、「酸素を多く通す」と「乾きにくい・強度がある」を両立させるのは非常に難しいとされてきました。

その状況を打破したのが、シリコーンハイドロゲルです。 シリコーンは水よりも酸素透過性が高いため、含水率が低くても、酸素を多く通すことができる。 また、含水率が低いため、汚れ(蛋白質)を吸着しにくく、乾燥感も少ないので装用感はおおむね良好であるとされています。

ドライアイで目が乾く、という方は、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを試されてはいかがでしょうか。

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