自民、公明両党は5日、国会内で「与党肝炎対策プロジェクトチーム(PT)」(座長・川崎二郎元厚生労働相)の会合を開き、薬害C型肝炎患者に対し、抗ウイルス剤「インターフェロン」治療の医療費助成を来年度予算案に盛り込む方針を決めた。助成の方法や財源などについては再度協議する。PTでは、肝ガンとB型肝炎への医療費助成についても今後検討していく方針。
 
一方、ウイルスに汚染された血液製剤「フィブリノゲン」を投与され、C型肝炎になったとして、患者が国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害C型肝炎訴訟」への対応については、今月7日の仙台地裁判決を見極めて対応する。これに関連、川崎氏は月内にも原告団と面会する方向で調整する。
(C型肝炎に医療費助成へ 自公の対策PT会合)


インターフェロンとは、動物体内で病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌するサイトカインの一種です。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きを示します。

1957年、A.アイザックスらにより、ウイルス増殖を非特異的に抑制する因子として発見され、ウイルス干渉(Interference)因子という意味でインターフェロンと命名されました。

医薬品としてはC型肝炎のほかいくつかの腫瘍などの治療に用いられています。

C型肝炎で用いられるインターフェロンは、インターフェロンα(ちなみに、αだけでも13種類が知られています。他は、β、ω、ε、κがあります)と呼ばれるものです。

インターフェロンαとβはリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞、骨芽細胞など多くのタイプの細胞で産生され、特に抗ウイルス応答の重要な要素です。インターフェロンαとβはマクロファージとNK細胞をともに刺激し、腫瘍細胞に対しても直接的に増殖抑制作用を示します。

ウィルスのタイプにもよりますが、インターフェロン投与を受けたC型肝炎患者では半数以上に改善がみられているそうです。抑うつ状態になるといった副作用もありますが、効果が期待できます。今後、薬害C型肝炎患者のみですが、抗ウイルス剤「インターフェロン」治療の医療費助成がなされることは歓迎すべきことではないでしょうか。

この件に関しては、民主党が肝炎対策の法案提出を行っています。早急に決定される事案ではないか、と思われます。

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