医療機器の輸入販売などを手掛けるアイ・エム・アイ(埼玉県越谷市)は、手術中に麻酔ガスを使い全身麻酔を行うための新システム「デイジーWhispa」と「同TS」の2機種を発売した。大学病院などの医療機関を中心に販売攻勢をかけ、2008年12月期に2機種合計で2億円の売り上げを目指す。

ここ数年の国内の麻酔機器市場規模は年間1200台から1300台と推計されている。環境問題の観点などから、低流量麻酔や高度な医療技術にも対応できるよう医療現場からの要求は年々、高まっている。

デイジーは、こうしたニーズに応えるためにデンマークの医療機器メーカー、ダメカ社が開発した全身麻酔システムで、麻酔中の生体情報モニターや人工呼吸器を統合させている。

新製品は2機種とも小児麻酔や低流量麻酔といった場合でも、呼気抵抗の上昇を防いだり、フレッシュガスの濃度変更に対応したりできるように、人工呼吸器と炭酸ガス吸引装置を一体にした新ユニットを採用した。
(新型全身麻酔システム 大学病院などに新登場)


そもそも、この機器は何をするためのものかと言えば、麻酔ガスにより全身麻酔を行う機器であり、麻酔中の生体情報モニタや人工呼吸器を統合した全身麻酔システムです。

特徴的なのは、IBS(Integrated Breathing System)という、独自の人工呼吸器とアブゾーバ(炭酸ガス吸引装置)が一体になったユニットだそうです。容量はコンパクトになっており、呼気・吸気弁が横向きに設定されているため、小児麻酔や低流量麻酔といった環境下でも、呼気抵抗の上昇を防ぎ、フレッシュガスの濃度変更に対しても素早く対応できるとなっている、とのこと。

また、患者の年齢と体重を入力すると、それにあった人工呼吸器の設定やMAC(最小肺胞濃度)補正を自動的に行ったりしてくれるそうです(もちろん、これらは参照値であり、手術中、適宜補正していく必要があるとは思いますが)。こうした自動化も大きな特徴でしょう。

上記ニュースの通り、麻酔機器市場規模は、年間1,200台から1,300台と推計されているそうです。高度な全身管理が求められるようになっていることを背景に、機器開発がやっきになって行われているそうです。2008年度は、20億以上の売り上げを予測しているそうです。もしかしたら、画像検査機器の市場並に大きくなっていくのでしょうか。

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