先日の鉛入りおもちゃのリコール騒ぎを受けて、フェイス・ブンティンさんは21日、息子のビクター君(3歳)をセント・ビンセント病院に連れてゆき、血液検査を受けさせた。ところが、女性採血スタッフが採血しながらビクター君の肩に噛みついたという。このスタッフは病院を解雇された。

母親は地元WRTVの取材に「これまで目にした中で最も狂った光景でした。彼女は私を見てニッコリ微笑み、『あら、ただ遊びで噛みついただけなのよ。けがはしてませんから』なんて言ったんです」と語った。

家に帰って息子の肩を調べてみると歯型がくっきりとついていた。そこで父親のジェームズさんがあわてて病院に車で戻り、抗生物質を処方してもらった。

「りんごみたいに息子に噛みつくなんて、凶悪すぎるよ」とジェームズさん。

病院はこの事件の報告を受けるとすぐに採血係を解雇。「採血を行う派遣スタッフの能力関する見直しを行っている」という。女性に対する告発はなされていない。
(病院の女採血係、3歳の坊やに噛みつく)


採血法とは、血液検査・血液培養検査などの臨床検査を行う上で必要となる医学的手法の一つで、生体の血液を採取する方法です。一般には、静脈から採血する静脈採血と、動脈から採血する動脈採血に分けられます。今回の場合は、静脈採血であると思われます。

静脈採血は、血算・生化学検査や血液塗沫検査、血液培養検査などで用いられます。一方、動脈採血は、血液ガス分析や血管確保が難しく、静脈血で採血できない時に使用されます。

それにしても、何で噛んだりしたのでしょうか?不思議な事件です。

上記の採血は、鉛入りおもちゃのリコール騒ぎを受けての検査のために行われたようです。国内でも、米国のメーカーが手掛ける「きかんしゃトーマス」の玩具の一部商品の塗料に、米国の安全基準を超える鉛が含まれていたことが、最近、問題となっていました。

小さなお子さんは、剥げた塗料のかけらを口にして、鉛中毒を発症することがあります。鉛は、脳、神経、腎臓、肝臓、血液、消化管、生殖器官など体のさまざまな部分に影響を与えます。発達中の神経系は最も障害を受けやすいため、特に小児の感受性は高くなっておりますので、注意が必要です。

治療は、これ以上体内に鉛を取りこまないようにすることと、体内に蓄積された鉛を取り除くことです。キレート療法といって、鉛の除去には鉛に結合する薬を投与して、尿中に排出させます。ただ、そこまでは問題とならないケースが大多数だと思われますが、十分、ご注意下さい。

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