大日本住友製薬の子会社で診断薬や研究用資材の開発、販売を手掛けるDSファーマバイオメディカル(DSバイオ、大阪市、竹上昭社長)は27日、鼻をかんで採取した鼻汁をインフルエンザ感染の有無を診断するための検体とする承認を9月19日付で取得したと発表した。
 
DSバイオが2005年1月に発売したA型とB型のインフルエンザ診断薬「クイックビューラピッドSPインフル」に使用可能な検体種として追加する。従来は専用のぬぐい棒で鼻腔やのどをぬぐったり、スポイトで鼻腔から吸引して採取した検体を用いて診断していた。
(大日本住友製薬子会社、鼻汁を検体にインフルエンザ診断)


以前の咽頭ぬぐい液などの検査は、2001年頃より迅速に診断が可能な検査キットとして、臨床の現場で使われ始め、現在は普及しています。検査技師など専門家がいなくても簡便で短時間ににできるなどの利点がありました。

鼻の奥の咽頭に近い部分を採取すると検出率が高いとされ、検体は基本的にその部分から採取されます。時間的には15分〜20分で結果が分かります。A型とB型の鑑別も可能です。タミフルは発症後48時間以内が非常に有効とされるため、迅速診断は非常に重要な検査方法となっています。

ただ、発症した直後ではウイルス量が少ないため陽性と判定されないことがあります。発症後2日目が最も陽性率が高いとされ、発症後4〜5日たつと陽性率は減少します。抗ウイルス薬による治療は発症後48時間以内でないと効果が期待できないため、検査で陰性と判定されても症状などから医師の判断で抗ウイルス薬を処方する場合もあります。

また、喉の奥に棒を突っ込むため、苦しいと感じる方もいらっしゃるようです。そのため、お子さんなどでは検査が難しい場合があります(泣いてしまったりします)。ですので、鼻水で検査ができるとなれば、より重宝するでしょう。

ですが、感度や特異度はどうなのか、気になるところです。簡便であっても、精度が高くなければ、使えません。現在、承認中とのことですので、どのようなものなのか、気になるところです。

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