東京都北区の総合病院で都の災害拠点病院の指定を受けている「東十条病院」(馬場操院長、350床)が、医師が確保できなくなったことや経営悪化を理由に新規の患者や救急患者の受け入れを停止し、10月31日で全科の診察を休止することが29日、分かった。
 
医師不足を理由とする休診・閉院は地方で深刻化しているが、都内で総合病院が一度に全科を休診するのは異例。同病院は医療法人「りんご会」が平成3年に開業。内科、外科、小児科など16の診療科がある。

同病院によると常勤医30人のうち28人が日本大からの派遣医師だが、うち8人がやめることになり、代わりの常勤医を探したが見つからなかった。さらに経営環境の悪化もあり、休診を決めた。11月以降の対応は不明だという。
 
今後、入院患者約60人に転院してもらうほか、すでに通院している患者約500人にはほかの病院を紹介していく。
(都の災害拠点…東十条病院、医師不足10月末休診)


財政破綻した夕張市の中核病院が閉鎖されてしまった(現在では、縮小した上で経営再開したようですが)ことは、すでに対岸の火事などと傍観していられる状況ではないようです。こうした現象は、今後も全国的に波及していくのではないでしょうか。

東京都ですら、こうした医師不足や財政難により経営が難しくなってしまっているという事実があります。今回のケースでは日大が「大学病院の勤務医不足」を理由に引き上げてしまったことが大きく起因しているようです。

やはり、勤務医の減少が中核の問題となっていると思われます。過酷で待遇が悪い、ということを理由に、開業されたり、より待遇の良い一般病院へ移る先生が多いということでしょう。となると、やはりこうした問題を改善する必要があると思われます。

今まで、あまりにも医師の待遇が蔑ろにされてしまったのではないでしょうか。『黙して堪え忍ぶ』が美徳であるという風潮は、もはや通用しなくなっています。大学病院などの勤務医を離れる医師を引き留めるために、どのような工夫をすべきなのか、といったことが、今後の病院経営には必要になっていると思われます。

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