保険適用を受けたカプセル型内視鏡は、長さ26ミリ、直径11ミリのサイズに、小型カメラ、照明、無線発信の機能を内蔵している。対象は原因不明の消化器出血の患者となる。患者が水で飲み込んだカプセルは、食道や胃を経て小腸に到達。毎秒2コマの画像を撮影し、患者の腹部に付けたセンサーに発信する。カプセルは便とともに体外に出されるので使い捨てだ。
 
医師はハードディスクに記録された約5万コマの画像を机上のコンピューター画面で確認、必要な数十枚を解析する。
 
この日記者会見したギブンは、欧米で60万件の検査実績を持つカプセル内視鏡の先行メーカーで、日本で4月に薬事承認を受けた。同社はカプセル型内視鏡について、「チューブ型と違って患者の肉体的負担が少ない。8時間の検査中も日常生活できる」とし、胃や大腸など消化器すべてを検査できるカプセルの開発を進める考えだ。
 
保険対象となるのは、通常の内視鏡検査の技術料に、使い捨てカプセルの7万7200円を加えた9万4200円。患者負担を除く額が保険で支払われるため、3割負担のサラリーマンなら、2万8260円を病院で支払うことになる。
 
一方、導入する医療機関は、解析用ワークステーションなど600万円強の機器を同社から購入することになる。
 
ギブン日本法人の笈川義徳社長は、「50以上の医療機関で採用されているが、保険適用を機に、1年後は数百の医療機関の受注を得たい」と事業拡大に意欲を示した。販売提携する医薬品卸大手のスズケン(名古屋市)も販売を強化する方針。
 
一方、消化器向けのチューブ型内視鏡で世界一のシェア(約7割)をもつのは日本のオリンパスメディカルだ。同社もカプセル型を開発して欧米で販売を始めており、日本でも薬事申請を終え、追随する構えだ。
 
同社は「カプセル型は患者の負担が大きく減る」としながらも、「患部の治療ができるのはチューブ型だけ。用途に合わせた開発を進めたい」と語っている。カプセル型は腸の蠕動で移動するため、医師が動きを制御したり、滞留を防ぐ技術開発が課題とされる。
 
ただ、医療費抑制を図りたい厚労省は、「チューブ型内視鏡やCT(コンピューター断層撮影法)で検査後、さらに検査が必要な事例に限る」と割高なカプセル型の普及に慎重な姿勢だ。
(内視鏡もカプセル時代へ 健康保険適用で弾み)


CCDセンサーと超小型レンズを搭載したカプセルと無線送信機構(ベストのような物で体に着けておく)で、飲み込んだ患者の消化器内部の様子を外部モニターで観察できます。胃や腸のぜん動で体内を進み、8時間後には体外に排出されます。

従来の内視鏡は広く普及してますが、チューブを飲み込む際におう吐を抑えたり、のどの痛みを抑えるための表面麻酔が必要など、患者の負担も大きいです。カプセル型なら錠剤と同じように飲み込めば済みます。

ただ、チューブ型内視鏡は、さまざまな処置具を装着することで止血やポリープ切除などを観察しながら同時に行えるメリットがあります。さらに、カプセル型は外部からコントロールできず、観察範囲が限られてしまう問題もあるそうです。

厚労省は、「チューブ型内視鏡やCTで検査後、さらに検査が必要な事例に限る」としていますが、やはりこうした検査も必要でしょう。今後の進化に期待したいと思います。

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