英国で72歳になる男性が、義理の娘に自分の精子を提供することが明らかになった。女性が母親になるのと同時に、自身にも「孫」ができることになる。当局が5日に明らかにした。
夕刊紙イブニング・スタンダードによると、息子夫婦が体外受精治療を試みたものの、夫の精子に問題があって妊娠しなかったことが精子提供の理由だという。
不妊治療当局のスポークスマンは「身内からの精子提供は珍しいことではないが、提供者の年齢上限は通常45歳まで」と指摘。「今回のケースで珍しいのは提供者の年齢だ」と述べた。
(英国の72歳男性、義理の娘に精子を提供へ)
精子提供は、特に子供を作るため、精液を与えたり販売したりすることを指します。通常、精子ドナーが精子バンクという施設で行ったりしますが、上記のように近親者や知人が提供するようなケースもあるようです。受け取り側の理由としては、不妊症や精子の遺伝病の他に、シングルマザー希望者などの状況があります。
ちなみに国内では最近、日本産科婦人科学会は今年2月の理事会で、生殖補助医療に用いる、凍結保存した精子について、「保存期間は、提供者本人が生きている間」に限るとし、死亡した場合には廃棄することを決定していました。
また、「非配偶者間人工授精と精子提供に関する見解」にて、以下のようなことを原則として決めています。
精子提供による非配偶者間人工授精(artificial insemination with donor semen;AID,以下本法)は,不妊の治療として行われる医療行為であり,その実施に際しては,我が国における倫理的・法的・社会的基盤を十分に配慮し,これを実施する.
提供者は、感染症、血液型、精液検査をあらかじめ行い、「感染症のないこと」「精液所見が正常であること」を確認する必要があります。また、自分の2親等以内の家族、および自分自身に遺伝性疾患のないことを提供者の条件とされています。その上で提供者になることに同意する旨の同意書に署名、拇印を押し、提供者の登録を行います。さらに、提供者の感染症検査は、少なくとも年一回施行します。
非常に提供者の条件は厳しく、おいそれとドナーになれるわけではありません。
果たして、上記のニュースでこうした条件がクリアされていたのかは分かりません。さらに、将来生まれてくる子供がこの事実と果たしてどう向き合うのか、といった問題があります。また、戸籍上はどうなるのか、気になるところではあります。生殖医療と社会的な影響に関しては、日本も他人事と言ってはいられません。法的整備を含め、議論が活発化することが期待されます。
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ミスター・パーフェクトの謎−精子バンクの問題点
夕刊紙イブニング・スタンダードによると、息子夫婦が体外受精治療を試みたものの、夫の精子に問題があって妊娠しなかったことが精子提供の理由だという。
不妊治療当局のスポークスマンは「身内からの精子提供は珍しいことではないが、提供者の年齢上限は通常45歳まで」と指摘。「今回のケースで珍しいのは提供者の年齢だ」と述べた。
(英国の72歳男性、義理の娘に精子を提供へ)
精子提供は、特に子供を作るため、精液を与えたり販売したりすることを指します。通常、精子ドナーが精子バンクという施設で行ったりしますが、上記のように近親者や知人が提供するようなケースもあるようです。受け取り側の理由としては、不妊症や精子の遺伝病の他に、シングルマザー希望者などの状況があります。
ちなみに国内では最近、日本産科婦人科学会は今年2月の理事会で、生殖補助医療に用いる、凍結保存した精子について、「保存期間は、提供者本人が生きている間」に限るとし、死亡した場合には廃棄することを決定していました。
また、「非配偶者間人工授精と精子提供に関する見解」にて、以下のようなことを原則として決めています。
精子提供による非配偶者間人工授精(artificial insemination with donor semen;AID,以下本法)は,不妊の治療として行われる医療行為であり,その実施に際しては,我が国における倫理的・法的・社会的基盤を十分に配慮し,これを実施する.
1)本法以外の医療行為によっては,妊娠成立の見込みがないと判断され,しかも本法によって挙児を希望するものを対象とする.
2)被実施者は法的に婚姻している夫婦で,心身ともに妊娠・分娩・育児に耐え得る状態にあるものとする.
3)実施者は医師で,被実施者である不妊夫婦双方に本法を十分に説明し,了解を得た上で同意書等を作成し,それを保管する.また本法の実施に際しては,被実施者夫婦およびその出生児のプライバシーを尊重する.
4)精子提供者は健康で,感染症がなく自己の知る限り遺伝性疾患を認めず,精液所見が正常であることを条件とする.精子提供者は,本法の提供者になることに同意して登録をし,提供の期間を一定期間内とする.
5)精子提供者のプライバシー保護のため精子提供者は匿名とするが,実施医師は精子提供者の記録を保存するものとする.
6)精子提供は営利目的で行われるべきものではなく,営利目的での精子提供の斡旋もしくは関与または類似行為をしてはならない.
7)非配偶者間人工授精を実施する施設は日本産科婦人科学会へ施設登録を行う.
提供者は、感染症、血液型、精液検査をあらかじめ行い、「感染症のないこと」「精液所見が正常であること」を確認する必要があります。また、自分の2親等以内の家族、および自分自身に遺伝性疾患のないことを提供者の条件とされています。その上で提供者になることに同意する旨の同意書に署名、拇印を押し、提供者の登録を行います。さらに、提供者の感染症検査は、少なくとも年一回施行します。
非常に提供者の条件は厳しく、おいそれとドナーになれるわけではありません。
果たして、上記のニュースでこうした条件がクリアされていたのかは分かりません。さらに、将来生まれてくる子供がこの事実と果たしてどう向き合うのか、といった問題があります。また、戸籍上はどうなるのか、気になるところではあります。生殖医療と社会的な影響に関しては、日本も他人事と言ってはいられません。法的整備を含め、議論が活発化することが期待されます。
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