森下仁丹は、名古屋大学医学部の丹羽利充准教授と共同で、シームレスカプセルに包んだビフィズス菌を人工透析を行っている患者に与えると、血中の尿毒症物質の濃度が低下することを突き止めた。尿毒症物質の一つであるインドキシル硫酸が透析合併症に関与していることが判明し、その濃度を低減する研究が進められているが、これに腸で溶けるビフィズス菌を活用できる可能性が出てきたといえそうだ。
森下仁丹はシームレスカプセル化技術を得意とし、すでに同カプセルを利用した医薬品や健康食品を製造販売している。
今回の研究でナトリウムやカリウム、カルシウムなどの含有量が少ないカプセル皮膜素材を使って、透析している人も使用しやすくした。シームレスカプセルに収めたビフィズス菌を、人工透析を行っている人に与えたところ、血中の尿毒症物質の濃度が低下する結果が得られた。
一般にビフィズス菌製剤を摂取することで便通が改善されることが分かっているが、血中の尿毒症物質の低下が確認されたのは初めて。名古屋大学と共同で特許出願するとともに、今回の成果をもとに、将来の医薬品の創出をめざし、さらに研究を重ねる方針だ。尿毒症物質の低減に効果のある医薬品は存在するものの、透析中に使用できるものはいまだにないという。
(血中の尿毒症物質濃度、ビフィズス菌で低下 森下仁丹と名大医学部)
尿毒症とは、何らかの原因で腎臓の機能が高度に障害された結果生じる症状の総称です。腎臓の機能の第一は、窒素代謝産物の排泄であるため、尿毒症では尿素、クレアチニン、尿酸を代表とする多数の窒素代謝産物が血中に蓄積します。
また、腎臓には老廃物を排泄する以外に、水、電解質(ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、リンなど)のバランスや酸塩基平衡の維持、ホルモンの産生および不活性化(はたらきを終わらせること)の機能などがあります。尿毒症では、これらの腎臓の機能すべてが阻害されてしまいます。
症状としては、上記の「体内への蓄積−排泄」のバランスが崩れ、正常では尿中より排泄されますが、尿毒症では十分排泄できず体内にたまります。そのため神経症状、消化器症状、出血傾向などの症状が現れます。
治療としては、安静の上に低蛋白食や減塩食などの食事療法、人工透析療法を行うことが必要になります。ですが、人工透析にも合併症があり、尿毒症物質の一つであるインドキシル硫酸が透析合併症に関与しており、その濃度を低減する研究が進められているが、これに腸で溶けるビフィズス菌を活用できる可能性が出てきた、とのことです。
すでに、透析患者数は25万人を越えているとのことです。少しでも負担の軽減できる技術が開発され、普及することが期待されます。
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一般にビフィズス菌製剤を摂取することで便通が改善されることが分かっているが、血中の尿毒症物質の低下が確認されたのは初めて。名古屋大学と共同で特許出願するとともに、今回の成果をもとに、将来の医薬品の創出をめざし、さらに研究を重ねる方針だ。尿毒症物質の低減に効果のある医薬品は存在するものの、透析中に使用できるものはいまだにないという。
(血中の尿毒症物質濃度、ビフィズス菌で低下 森下仁丹と名大医学部)
尿毒症とは、何らかの原因で腎臓の機能が高度に障害された結果生じる症状の総称です。腎臓の機能の第一は、窒素代謝産物の排泄であるため、尿毒症では尿素、クレアチニン、尿酸を代表とする多数の窒素代謝産物が血中に蓄積します。
また、腎臓には老廃物を排泄する以外に、水、電解質(ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、リンなど)のバランスや酸塩基平衡の維持、ホルモンの産生および不活性化(はたらきを終わらせること)の機能などがあります。尿毒症では、これらの腎臓の機能すべてが阻害されてしまいます。
症状としては、上記の「体内への蓄積−排泄」のバランスが崩れ、正常では尿中より排泄されますが、尿毒症では十分排泄できず体内にたまります。そのため神経症状、消化器症状、出血傾向などの症状が現れます。
治療としては、安静の上に低蛋白食や減塩食などの食事療法、人工透析療法を行うことが必要になります。ですが、人工透析にも合併症があり、尿毒症物質の一つであるインドキシル硫酸が透析合併症に関与しており、その濃度を低減する研究が進められているが、これに腸で溶けるビフィズス菌を活用できる可能性が出てきた、とのことです。
すでに、透析患者数は25万人を越えているとのことです。少しでも負担の軽減できる技術が開発され、普及することが期待されます。
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