落語家の三遊亭円楽さん(74)が胃がんであることが12日、分かった。今月初めに胃カメラを使った検査を受け、がんが発見されたという。15日に東京・信濃町の慶応病院で精密検査を受け、手術をするかを含め治療方針を決める。
 
円楽さんは平成17年10月に脳梗塞で倒れ、昨年5月、長年司会を務めた日本テレビ系演芸番組「笑点」の司会を降板。今年2月には、進退をかけて臨んだ長編人情噺「芝浜」の出来に満足できなかったとして引退を宣言していた。
(三遊亭円楽さん 胃がん見つかる)


円楽師匠も内視鏡でみつかったようですが、胃癌は、自覚症状による胃癌の早期発見は難しいです。ほとんどの場合、早期癌の段階では無症状であり、癌が進行してからでないとはっきりとした自覚症状が出てこないことが多いからと言われています。

胃癌が進行すると、出血(ガン細胞によって胃の粘膜が破壊され、出血が生じていました。そして本人は気付かぬまま、その血は便に混ざって排泄される)に伴う症状が出現します。

結果、便が黒色となったり、軟便傾向となります。さらに胃癌からの出血がつづき、貧血が進行すると、貧血による自覚症状、たとえば運動時の息切れ、易疲労感などの症状が現れてきます。さらに進行すると腫瘍の増大に伴い腹部にしこりを触れたり、食物の通過障害、閉塞症状が現れることもあります。

診断としては、胃癌の存在自体を確認するには胃内視鏡検査かバリウムによる上部消化管X線検査が必要です。便の検査や血液検査では早期胃癌の発見は難しいです。

X線検査で異常が発見されたときも、確定診断のためには内視鏡検査が必要です。内視鏡検査で、異常とおもわれる部位を医師が発見すると、組織の一部を採取します(生検)。生検標本は病理医に送られ、ホルマリンで固定後に染料にて染色され顕微鏡下にて癌細胞の存在の有無が確認されます。

胃癌の治療方針は、腫瘍の大きさ・部位・拡がり、病期、全身状態、あるいは患者の希望など様々な要素を勘案し決定されます。

国内では、胃切除+D2郭清(2群リンパ節までの郭清)が標準治療とされ実践されています。しかし近年、診断技術の発達により早期胃癌の割合が増えるとともに、内視鏡的切除や縮小手術が開発され、多様な治療が行われるようになってきました。

こうした状況を踏まえ、科学的根拠に基づいた治療の標準化を目指して日本胃癌学会による「胃癌治療ガイドライン」が作成されています。 ガイドラインでは、これまでに集積された膨大な症例の解析を基に、癌の進行度(腫瘍の深達度、大きさ、分化度、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無等)に応じた治療法が規定されています。

たとえば、
・深達度がM(粘膜内)で、N0(リンパ節転移なし)、分化型、2cm以下、潰瘍形成なし、であれば、内視鏡的粘膜切除術
・StageIIもしくはIIIAなら、2群リンパ節郭清を伴う胃切除術(=定型手術)
・StageIVなら、(姑息的手術+)化学療法(+緩和治療)

といった具合です。

どういった具合なのかは分かりませんが、御自愛なさっていただき、しっかりと治療を受けて快方に向かっていただきたいと思われます。

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