インド人の夫婦が息子に輸血措置を施し殺害した罪で起訴された。同夫婦は、上の息子の学力向上のため、下の息子(11)の血液を上の息子に輸血したという。インディアン・エクスプレス紙が12日に伝えた。
同紙によると、夫婦はともに医師。母親は夢の中で、上の息子をより賢くするために輸血を行うよう助言されたという。
警察によると、この夫婦は当初、家族が暴漢に襲われて下の息子が殺害されたと主張。しかしその後、父親が自供したという。
同紙はまた「外部の者による犯行だった場合、外科手術用の器具を使って襲うことはないだろう」との警察官の発言を引用した。
父親は警察に身柄を再び拘束されており、母親は自殺を図った後、精神科の治療を受けているという。
輸血を受けた上の息子は現在、病院で生死をさまよう状態にあるという。
(インド人少年、兄の学力向上のため両親に殺害される)
こうしたニュースを読むと、医師もピンキリなんだな、と思う今日この頃です。
次男は殺害されてしまったと言うことで、非常に痛ましい事件であります。さらに、輸血をされた長男も重体だそうです。
輸血に際しては、実は多くの注意点が必要となります。
副作用を最小限に抑えるため、いくつかの予防措置が行われます。まず、輸血の数時間または数日前に、供血者と受血者の血液を1滴ずつ混合して両者が適合することを確認します。これは交差試験と呼ばれます(主試験と副試験の2通りを行います)。血液が適正に検査されていて、血液中に抗体が存在しないことを確認する必要があります。これは、血液型が適合しているのかどうかを調べる上で、非常に重要です。
さらに稀にですが、重度の反応や致死的な反応が起こることもあります。最も多いのは発熱とアレルギー反応(過敏反応)で、約1〜2%にみられます。
アレルギー反応の症状としては、掻痒感、広範囲の発疹、腫脹、眩暈、頭痛などがあります。頻度は少ないものの、呼吸困難、呼吸音異常、筋痙攣などが生じることもあります。まれに、重度のアレルギー反応から低血圧やショックを起こすこともあります。
おそらく上記のニュースでは、放射線照射などの処置もせずに全血輸血を行ったでしょうから(ゆえに免疫反応を起こす可能性のある、血漿、白血球、サイトカイン、血漿蛋白などを含む)、免疫反応が起こりやすかったと思われます。起こるかも知れないものとしては、以下のようなものがあります。
他にも、感染症の問題などもあります。
なぜ、このようなことをやってしまったのかは分かりませんが、悲劇としか言いようがない事件です。
【関連記事】
何故?採血スタッフが3歳の男の子に噛みつく
同居男性「トイレに連れて行こうとしたら転んだ」 3歳児が肝臓破裂死
コーチの打球が生徒の額を直撃 頭蓋骨陥没骨折
同紙によると、夫婦はともに医師。母親は夢の中で、上の息子をより賢くするために輸血を行うよう助言されたという。
警察によると、この夫婦は当初、家族が暴漢に襲われて下の息子が殺害されたと主張。しかしその後、父親が自供したという。
同紙はまた「外部の者による犯行だった場合、外科手術用の器具を使って襲うことはないだろう」との警察官の発言を引用した。
父親は警察に身柄を再び拘束されており、母親は自殺を図った後、精神科の治療を受けているという。
輸血を受けた上の息子は現在、病院で生死をさまよう状態にあるという。
(インド人少年、兄の学力向上のため両親に殺害される)
こうしたニュースを読むと、医師もピンキリなんだな、と思う今日この頃です。
次男は殺害されてしまったと言うことで、非常に痛ましい事件であります。さらに、輸血をされた長男も重体だそうです。
輸血に際しては、実は多くの注意点が必要となります。
副作用を最小限に抑えるため、いくつかの予防措置が行われます。まず、輸血の数時間または数日前に、供血者と受血者の血液を1滴ずつ混合して両者が適合することを確認します。これは交差試験と呼ばれます(主試験と副試験の2通りを行います)。血液が適正に検査されていて、血液中に抗体が存在しないことを確認する必要があります。これは、血液型が適合しているのかどうかを調べる上で、非常に重要です。
さらに稀にですが、重度の反応や致死的な反応が起こることもあります。最も多いのは発熱とアレルギー反応(過敏反応)で、約1〜2%にみられます。
アレルギー反応の症状としては、掻痒感、広範囲の発疹、腫脹、眩暈、頭痛などがあります。頻度は少ないものの、呼吸困難、呼吸音異常、筋痙攣などが生じることもあります。まれに、重度のアレルギー反応から低血圧やショックを起こすこともあります。
おそらく上記のニュースでは、放射線照射などの処置もせずに全血輸血を行ったでしょうから(ゆえに免疫反応を起こす可能性のある、血漿、白血球、サイトカイン、血漿蛋白などを含む)、免疫反応が起こりやすかったと思われます。起こるかも知れないものとしては、以下のようなものがあります。
・蕁麻疹、かゆみ、発熱:いずれも抗原・抗体反応を基盤としておこると考えられている。頻度はもっとも多く、0.5〜2%程度で発生する。
・移植片対宿主病 (graft versus host disease: GVHD) :受血者血液中で残存した供血者リンパ球が受血者組織を攻撃しておこす病態、血液製剤の放射線照射で防止できる
・ABO不適合輸血(事故):血液型検査ミスより患者や血液製剤の取り違えなど事務的ミスでおきることが多い。メジャー不適合でも死亡率は10%程度。早期に発見して処置しすれば助かる。それゆえ、輸血開始後5分間は看護師がベッドサイドにいて観察することが必要。
・輸血関連急性肺傷害(Transfusion-related acute lung injury: TRALI):おそらくは白血球抗体による反応のために急性の呼吸困難をおこす病態。
・同種感作:血液製剤中の白血球がもつHLAなどにより抗体ができる。血小板輸血不応などの原因になる。現在血小板製剤は白血球が1バッグ当たり10の6乗以下となっているが、患者が経産婦や輸血経験者の場合ではこの程度の除去では防止することができない。
他にも、感染症の問題などもあります。
なぜ、このようなことをやってしまったのかは分かりませんが、悲劇としか言いようがない事件です。
【関連記事】
何故?採血スタッフが3歳の男の子に噛みつく
同居男性「トイレに連れて行こうとしたら転んだ」 3歳児が肝臓破裂死
コーチの打球が生徒の額を直撃 頭蓋骨陥没骨折