先月、香港の病院内から血液サンプルを盗み出し、それを飲んだ男が禁固2カ月の刑となった。16日付の当地の英字日刊紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じた。

記事によると、Li Man-yiu被告(29)は先月13日、負傷した足の治療のため当地の病院内を歩いていたという。監視カメラに、同被告が検査窓口で血液サンプルの入った3本のガラス管を手に取り、そのうち2本を飲み干した様子が映っていた。

同被告は15日の裁判で、犯行当時の状況について「非常にのどが渇いていた」と証言した。

裁判所は、酒に酔った上での犯行だったことを認定しながらも、窃盗罪を認めた被告に対し禁固刑を命じたという。
(「のどが渇いて」血液サンプル飲んだ香港の男、禁固2カ月に)


酔っていたとはいえ、血液なんか飲めたものではないように思いますが、2本も飲んでしまったようです。当然のことながら、血液は感染性廃棄物に含まれることからも分かるとおり、非常に危険な行為です。

肝炎ウィルスなど、病原体が体内で広がるにも血液を経由するものもあったり、血液そのものを住みかとする例(マラリア原虫など)もあります。衛生面の進歩によって、先進国では減少傾向にはありますが、それに代わって見られるようになったのが、医療的な処理(注射、輸血など)の際に血液の交流が起こって、それによって感染が起きる例が多いとされています(血液感染と呼びます)。上記ニュースにおいて、懲罰は別として、しっかりとした検査をしたのか、心配なところです。

ですが、こうした問題を抜きにして考えると、血液は高栄養の液体であるから、これを食物とする生物は結構います。代表的なのは、カやアブ、あるいはノミやシラミなど多くの種類の昆虫が血を栄養源として利用する吸血性昆虫です。ダニやヒルも血を利用するものもいます。

…それにしても、こうした人がいるかもしれない、と考えると、採血管などは手の届かないところに置いておく(まぁ、紛失といった観点から考えても、しっかりと保管する必要はありますね)ことを心がけるべきですね。

【関連記事】
銅ケーブル盗もうとして感電死

「親を楽にさせたかった」無免許眼科医 独学で7千人診療