顔面の形成手術のために骨をとる手術で右足にしびれが残ったのは医師に過失があったためとして、山形市に住む20代の女性が、聖マリアンナ医科大(川崎市)に約7700万円の損害賠償を求める訴訟を山形地裁に起こした。
 
訴状によると、女性は平成16年2月、横浜市にある同大の付属病院で、腰から骨をとって鼻に移植する手術を受けたが、手術後に右足にしびれが残り、現在も日常生活に不自由する状態が続いている。
 
原告側は、右足のしびれは神経を傷つけた手術ミスによるもので、手術前に危険性について十分な説明がなかったなどと主張している。聖マリアンナ医科大は取材に対し「訴状を精査中でコメントを差し控えます」としている。
(「顔面手術でしびれ」聖マリ医大を提訴 山形の女性)


医療事故とは、医療において生じた事故すべてのことを指すそうです。その中で、医療過誤とは、主に医療従事者側等の人的または物的な過失のこと、またはそれら過失によって患者側に生じた人身事故のことだそうです。裁判では、「医療従事者に過失があり、それによって被害を被った」と患者さんが訴えている状態になるわけです。

もちろん、被害者の求めるものとしては賠償であり、それは金銭的なもので代えられるわけですが、実はそうしたものは二次的なものではないか、という意見もあります。

早大大学院法務研究科の和田仁孝教授は「被害者が求めるのは謝罪や再発防止の約束など医療従事者の誠実な対応。対話の場は医療不信の払拭にも寄与する」と話しています。つまり、「最初に言ったことと違うじゃないか。どうして誠実に誤りを認め、謝罪してくれないんだ」といったフラストレーションが裁判に発展する、ということのようです。

そこで、医療メディエーターという存在があります。以下のような役割を果たす人を指します。
費用と時間のかかる裁判ではなく、第三者の仲介で医療事故の紛争解決を目指す「医療ADR(裁判外紛争処理)」の仕組みをつくるため、早稲田大学紛争交渉研究所は、特定非営利活動法人「医療紛争処理機構」の設立を目指しています。

ADRは直訳すると「代替的紛争解決」の略。交通事故紛争処理センターのように、仲裁、調停、斡旋といった方法で裁判より低額、迅速に紛争を解決させる仕組みです。
この「被害を被った患者さんと医療従事者との間をとりもつ」のが、第三者を医療メディエーターというわけです。

今後、医療の高度化に伴って、裁判へと発展するケースは多くなっていくでしょう。そこで、こうした医療メディエーターの存在が必要となってくると思われます。

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