以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われた内容です。
都内の中堅メーカーで営業部長を務めるM・S(59)さんは、若い頃から大の野菜嫌い。夫の体を気遣う妻から野菜を勧められても、殆ど食べませんでした。そんなある日、残業中に突然、視界がぼやける異変に襲われたM・Sさん。老眼が進んで眼鏡が合わなくなってきたのかと思っていましたが、異変はそれだけでは治まりませんでした。
生じてきた症状は、以下のようなものがありました。
1)目のぼやけ(書類を読む際に、ぼやけてしまう)
2)視界の中心が歪む(取引先のビルを観たときに、中心が歪んで見えた)
3)視界の中心が見えない
こうした症状にもかかわらず、食生活も変えずに放置し続けてしまいました。
結果、プレゼンを行っていた際に異変に気づきます。左目が全く見えません。
視力を失って初めて病院を訪れたM・Sさん。医師から告げられた病名は、加齢黄斑変性でした。
「加齢黄斑変性」とは、加齢に伴い網膜の中心にある「黄斑」と呼ばれる部分に異常が生じる疾患です。網膜の中心部は黄斑とよばれ、ものを見るときに最も大切な働きをします。この黄斑の働きによって私達は良い視力を維持したり、色の判別を行ったりします。つまり、この部分に異常をきたすと、長い間かかって視力が低下していきます。患者数としては、国内で40万人程度であり、高齢化に伴ってさらに増えてくると思われます。久山町研究では、少なくとも1眼に加齢黄斑変性を有する人は50歳以上の人口の0.87%を占めていましたそうです。
黄斑は、自分が最も見たい視野の中心を見るために必要な部分であるため、この部分に異常をきたすと、視野の中心がぼやけ、日常生活に大きく支障をきたしてしまいます。最初は物がゆがんだり小さく見えたり暗く見えたりします(変視症といいます)。また急に視力が低下する場合もあります。黄斑部に病気が限局していれば通常見えない部分は中心部だけですが、大きな網膜剥離や出血が続けばさらに広い範囲で見えにくくなります。
どうして加齢黄斑変性によって失明してしまったかというと、以下のような原因で起こったと考えられます。
都内の中堅メーカーで営業部長を務めるM・S(59)さんは、若い頃から大の野菜嫌い。夫の体を気遣う妻から野菜を勧められても、殆ど食べませんでした。そんなある日、残業中に突然、視界がぼやける異変に襲われたM・Sさん。老眼が進んで眼鏡が合わなくなってきたのかと思っていましたが、異変はそれだけでは治まりませんでした。
生じてきた症状は、以下のようなものがありました。
1)目のぼやけ(書類を読む際に、ぼやけてしまう)
2)視界の中心が歪む(取引先のビルを観たときに、中心が歪んで見えた)
3)視界の中心が見えない
こうした症状にもかかわらず、食生活も変えずに放置し続けてしまいました。
結果、プレゼンを行っていた際に異変に気づきます。左目が全く見えません。
視力を失って初めて病院を訪れたM・Sさん。医師から告げられた病名は、加齢黄斑変性でした。
「加齢黄斑変性」とは、加齢に伴い網膜の中心にある「黄斑」と呼ばれる部分に異常が生じる疾患です。網膜の中心部は黄斑とよばれ、ものを見るときに最も大切な働きをします。この黄斑の働きによって私達は良い視力を維持したり、色の判別を行ったりします。つまり、この部分に異常をきたすと、長い間かかって視力が低下していきます。患者数としては、国内で40万人程度であり、高齢化に伴ってさらに増えてくると思われます。久山町研究では、少なくとも1眼に加齢黄斑変性を有する人は50歳以上の人口の0.87%を占めていましたそうです。
黄斑は、自分が最も見たい視野の中心を見るために必要な部分であるため、この部分に異常をきたすと、視野の中心がぼやけ、日常生活に大きく支障をきたしてしまいます。最初は物がゆがんだり小さく見えたり暗く見えたりします(変視症といいます)。また急に視力が低下する場合もあります。黄斑部に病気が限局していれば通常見えない部分は中心部だけですが、大きな網膜剥離や出血が続けばさらに広い範囲で見えにくくなります。
どうして加齢黄斑変性によって失明してしまったかというと、以下のような原因で起こったと考えられます。
詳しい原因はわかっていませんが、活性酸素が原因の一つであると考えられています。活性酸素によるダメージを受けると、やがて網膜の細胞の一部がはがれ落ち、老廃物となって網膜の下にたまっていきます。この老廃物が、「ドルーゼン」と呼ばれるものであり、ドルーゼンができると、網膜の奥から新しい血管(新生血管)が生えやすくなります。新生血管は脆いため、あちこちから出血してしまいます。最終的に、目の中の出血が黄斑を覆い、視野の中心が見えなくなってしいました。
最近、明らかになってきていますが、ビタミンによる予防効果が指摘されています。
野菜に含まれるビタミンCやE、βカロテンなどの栄養素は「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、活性酸素を無害にする力があるといわれています。よって、このビタミンによって予防効果があるのではないか、ということが考えられます。ところがM・Sさんは、若い頃からの野菜嫌いで、彼の体内では抗酸化ビタミンが慢性的に不足していました。その結果、網膜が活性酸素のダメージを受け続け、ついに発病に至ってしまった、とも考えられます。
ちなみに、加齢黄斑変性は滲出型と萎縮型に分けられます。滲出型は、その名の通り水がにじみ出てきて、黄斑に障害が生じるタイプです。出血することもあります。恐らく、M・Sさんの場合も滲出型であると思われます。
もう一つのタイプとしては、萎縮型があります。萎縮型とは、徐々に組織が痛んで死んでいくタイプで、黄斑に地図状の萎縮病巣ができます。長い間かかって視力が低下していきます。老化現象ですから治療法がなく、視力も急には落ちないので、あまり問題にされていません。
治療法としては、脈絡膜新生血管が中心窩を外れている場合はレーザー抗凝固を行います。また、硝子体手術を行う場合もあります。
最近では、光線力学療法といって、「ベルテポルフィン」という薬を静脈に点滴注射後、レーザーを照射する治療法があります。「ベルテポルフィン」という薬は、新生血管に集まり、レーザーが当たると化学反応を起こして活性酸素を発生、血管内から破壊します。発熱しにくいレーザーを用いるので、網膜への影響がほとんどないという利点があります。ただ、日焼けを起こす光線過敏症などの副作用の心配があるため、初回治療には3日間の入院が義務づけられています。
視力の予後は不良で、高齢者における主要失明原因の一つです。ぜひとも、しっかりと野菜などでビタミン(とくにビタミンCやE、βカロテン)を摂って予防していただきたいと思われます。
【関連記事】
本当は怖い家庭の医学 症例集
本当は怖い高血糖その1−糖尿病性壊疽
本当は怖い高血糖その2−アルツハイマー病
最近、明らかになってきていますが、ビタミンによる予防効果が指摘されています。
野菜に含まれるビタミンCやE、βカロテンなどの栄養素は「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、活性酸素を無害にする力があるといわれています。よって、このビタミンによって予防効果があるのではないか、ということが考えられます。ところがM・Sさんは、若い頃からの野菜嫌いで、彼の体内では抗酸化ビタミンが慢性的に不足していました。その結果、網膜が活性酸素のダメージを受け続け、ついに発病に至ってしまった、とも考えられます。
ちなみに、加齢黄斑変性は滲出型と萎縮型に分けられます。滲出型は、その名の通り水がにじみ出てきて、黄斑に障害が生じるタイプです。出血することもあります。恐らく、M・Sさんの場合も滲出型であると思われます。
もう一つのタイプとしては、萎縮型があります。萎縮型とは、徐々に組織が痛んで死んでいくタイプで、黄斑に地図状の萎縮病巣ができます。長い間かかって視力が低下していきます。老化現象ですから治療法がなく、視力も急には落ちないので、あまり問題にされていません。
治療法としては、脈絡膜新生血管が中心窩を外れている場合はレーザー抗凝固を行います。また、硝子体手術を行う場合もあります。
最近では、光線力学療法といって、「ベルテポルフィン」という薬を静脈に点滴注射後、レーザーを照射する治療法があります。「ベルテポルフィン」という薬は、新生血管に集まり、レーザーが当たると化学反応を起こして活性酸素を発生、血管内から破壊します。発熱しにくいレーザーを用いるので、網膜への影響がほとんどないという利点があります。ただ、日焼けを起こす光線過敏症などの副作用の心配があるため、初回治療には3日間の入院が義務づけられています。
視力の予後は不良で、高齢者における主要失明原因の一つです。ぜひとも、しっかりと野菜などでビタミン(とくにビタミンCやE、βカロテン)を摂って予防していただきたいと思われます。
【関連記事】
本当は怖い家庭の医学 症例集
本当は怖い高血糖その1−糖尿病性壊疽
本当は怖い高血糖その2−アルツハイマー病