インドのバンガロールにある病院で、4本の手と4本の足を持つ2歳女児の外科手術が行われ、余分な手足の切除に無事成功した。担当した医者らが7日に明らかにした。

この女児ラクシュミ・タトマちゃんは、母胎内で正常に発達しなかった双子の姉妹と骨盤部分で結合した状態で生まれてきた。約30人で構成した医療チームは、2本の腕と2本の足のほか、余分な臓器も切除した。

6日に始まった手術は当初は40時間かかるとみられていたが、約27時間で終了。執刀した医者の1人によると、手術は非常に成功し、ラクシュミちゃんは今後48時間は集中治療室で過ごすという。

医者らは今回の手術が大きなリスクを伴うものだったとしながらも、このままでは歩くこともできず、成人になるまで生きることは難しかったとの見方を示している。

ラクシュミちゃんの母親は記者団に対し「手術後は普通の生活が送れるようになると聞いている。わたしは、あの子のために祈るしかない」と語った。
(インドで8本の手足を持つ女児、切除手術が無事成功)


重複肢症(polymelia)は、多肢症とも呼ばれます。
狭義には上肢あるいは下肢が3本以上あるものを指します。ですが、実際にはきわめて稀です。一般的には肢の原基に何らかの異常があって、2分されて起こるものと考えられますが、本症例では、双子の姉妹と骨盤部分で結合した状態で生まれてきたとのことで、結合双生児(もう一人は生まれてくることは叶いませんでしたが)で、臓器や肢を伴って生まれてきた、と考えられそうです。よって、寄生性二重体ではないかと思われます。

寄生性二重体とは、以下のような場合を指します。
連絡している二重体のうちで,一方の個体の発育は良好で(自生体といい、ラクシュミちゃんはこちら側)、他方の発育が不良で前者に付属しているようにみえる場合を寄生性二重体といい、後者を寄生体といいます。

ちなみに重複肢症は、稀ではありますが、みられるものに前腕から手にかけて、2本分が癒合したような形で生まれてくることもあるそうです。中でも、指が10本近くも存在し、鏡像のような外見であるので鏡手mirror handと呼ばれるものもあります(広義では、多肢症に多指症も含まれます)。

手術は小さな子供にとって、非常に苦痛を伴うものだったでしょうが、無事に成功して良かったです。今後、普通の女の子として生活できていければ、と思われます。

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