頭髪専門のクリニックを訪れる男性の約6人に1人は治療が不要です−。全国有数の患者数の治療に当たる東京・新宿の城西クリニック(小林一広院長)が今年1月から6月までに新規に訪れた1010人のデータを分析したところ、「治療不要」に分類できる男性が164人いたことが八日、分かった。

この164人は、ストレスの強さを示す数値が、治療が必要とされる他の男性より高く、ふさふさでも髪が薄いと思い込み、悩みを深めている実態も明らかになった。

治療の要不要は、頭髪の分布を判断する国際的な指標「ハミルトン分類」を使ってチェック。おでこの生え際の後退程度や頭頂部の状態などを基に7段階に分類。このうち少し生え際が後退したI、II段階は治療が不要とされている。

分析ではI段階が18人、II段階は146人いた。最も多いのは生え際の後退が頭頂部に達し始めたIII段階で、343人が該当した。

ストレスの程度を国際的に利用されているチェックシートで診断したところ、Iの平均値が最も高い39.4。IIは38.5、VIIは30.5と、薄毛になるほど逆にストレスが少なかった。

精神科医でもある小林院長は「特に若い世代に、薄いことは駄目という思い込みが強いようだ」と話している。
(ふさふさでも薄毛と感じる 6人に1人が治療必要)


AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」を指します。

成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことを指します。思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。抜け毛が進行し、薄毛が目立つようになります。

どうして薄毛になってしまうのかというと、以下のような説明ができると思われます。
髪の毛1本1本には寿命があり、伸びては抜け、また新しく生えることをくりかえしています。これをヘアサイクルと呼んでいます。

毛包は、成長期→退行期→休止期→成長期…とサイクルを繰り返しており、このうち成長期が一番長く通常2〜6年間続きます。しかし、いわゆる男性の薄毛(AGA)は成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。また、これにはフィナステリドでも有名ですが、男性ホルモン(ヤストステロンが変化したジヒドロテストステロン)が大きく関わっており、結果的には毛乳頭細胞死などが起こって発毛しなくなってしまう、という状態に陥るわけです。

AGAの脱毛部にはDHT(ジヒドロテストステロンであり、テストステロンが5αリダクターゼによって変換されたもの)が高濃度にみられ、これがヘアサイクルの成長期を短くする原因物質と考えられています。成長期が短くなることにより、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまいます。十分に育たない、細い短い髪の毛が多くなると全体として薄毛が目立つようになります。

治療法としては、プロペシアという薬があります。これは、「5αリダクターゼ阻害薬」というものです。「5αリダクターゼ阻害薬」は、薄毛の原因である男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)が作られるのを阻害します。

一ヶ月7,000円〜8,000円とのことで、ちょっと高めかも知れませんが、「ヤバイかも」と思い始めている男性は、病院で相談されてみてはいかがでしょうか。

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