以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。
脂質異常症を長年放置したため、直径10cmという巨大な腹部大動脈瘤が出来てしまったT・K(87)さん。しかし、若い頃患った結核の後遺症で肺の働きが悪く、全身麻酔に耐えることができないため、開腹による治療(人工血管置換術)は不可能と言われてきました。
ところが、2007年4月、厚生労働省が動脈瘤の新しい治療法に保険を適用(開腹手術が推奨されない人に限る)にしたため、この治療を受けることができるようになりました。その画期的な治療法に一縷の望みをかけ、T・Kさんは東京慈恵会医科大学病院を訪れました。
この大動脈瘤の最新治療法とは、「有窓性・枝付きの大動脈瘤ステンドグラフト手術」と呼ばれるものです。東京慈恵会医科大学・外科学講座の大木隆生教授が担当されていました。
腹部大動脈瘤とは、主に動脈硬化等に理由により、腹部大動脈が部分的に瘤状に膨れる疾患です。大動脈瘤の中でも、頻度として最も多いのが腹部大動脈瘤です。腹部大動脈の正常直径は約2cm以下であり、4cm以上(2倍以上)で腹部大動脈瘤と診断されます。
動脈瘤が大きくなるだけでは、無症状なことが多いです(大きくなると、お腹が膨れてくることもあります)。しかしながら、動脈瘤が大きくなると破裂して約9割の方が失血死してしまいます。ですので、その前に治療を行う必要があります。
手術適応となるのは、以下のような時です。
一般的には、人工血管に置換する方法がとられますが、T・Kさんの場合は、若い頃患った結核の後遺症で肺の働きが悪く、全身麻酔に耐えることができないため、開腹による治療(人工血管置換術)は不可能でした。
そこで、今回の最新治療、「ステントグラフト手術」が行われることになりました。
この方法は、ステントグラフトと呼ばれる人工血管を、腹部を切開せずに体内に入れる血管内手術です。そのため、局所麻酔下で手術を行うことができ、なおかつ低侵襲で行うことが出来る(血管を露出するための傷だけで行える)という利点があります。
具体的な原理や方法としては、以下のような手順で行っていました。
脂質異常症を長年放置したため、直径10cmという巨大な腹部大動脈瘤が出来てしまったT・K(87)さん。しかし、若い頃患った結核の後遺症で肺の働きが悪く、全身麻酔に耐えることができないため、開腹による治療(人工血管置換術)は不可能と言われてきました。
ところが、2007年4月、厚生労働省が動脈瘤の新しい治療法に保険を適用(開腹手術が推奨されない人に限る)にしたため、この治療を受けることができるようになりました。その画期的な治療法に一縷の望みをかけ、T・Kさんは東京慈恵会医科大学病院を訪れました。
この大動脈瘤の最新治療法とは、「有窓性・枝付きの大動脈瘤ステンドグラフト手術」と呼ばれるものです。東京慈恵会医科大学・外科学講座の大木隆生教授が担当されていました。
腹部大動脈瘤とは、主に動脈硬化等に理由により、腹部大動脈が部分的に瘤状に膨れる疾患です。大動脈瘤の中でも、頻度として最も多いのが腹部大動脈瘤です。腹部大動脈の正常直径は約2cm以下であり、4cm以上(2倍以上)で腹部大動脈瘤と診断されます。
動脈瘤が大きくなるだけでは、無症状なことが多いです(大きくなると、お腹が膨れてくることもあります)。しかしながら、動脈瘤が大きくなると破裂して約9割の方が失血死してしまいます。ですので、その前に治療を行う必要があります。
手術適応となるのは、以下のような時です。
・男性の場合は直径5cm、女性では4.5cm以上
・1年間で0.5cm以上拡大するケース
・嚢状瘤の場合(焼いたお餅のように、一方だけ膨らんだタイプ。破裂しやすい)
一般的には、人工血管に置換する方法がとられますが、T・Kさんの場合は、若い頃患った結核の後遺症で肺の働きが悪く、全身麻酔に耐えることができないため、開腹による治療(人工血管置換術)は不可能でした。
そこで、今回の最新治療、「ステントグラフト手術」が行われることになりました。
この方法は、ステントグラフトと呼ばれる人工血管を、腹部を切開せずに体内に入れる血管内手術です。そのため、局所麻酔下で手術を行うことができ、なおかつ低侵襲で行うことが出来る(血管を露出するための傷だけで行える)という利点があります。
具体的な原理や方法としては、以下のような手順で行っていました。
方法としては、まず、足の付け根を通る2ヶ所の動脈から、道しるべとなるワイヤー(ガイドワイヤー)を入れます。次に、そのワイヤーを利用して、ステントグラフトが入ったチューブを血管に差し入れます。そして動脈瘤に到達したところでチューブだけ外すと、形状を記憶したステントグラフトが広がるという仕組みです。
ステントグラフトは細かく折りたたまれ、鉛筆ほどの太さのカテーテルに装填されています(折りたたみ傘のように)。このカテーテルを経皮的あるいは外科的に露出した大腿動脈からレントゲン透視下に挿入し,所定の位置でステントを広げることにより人工血管を大動脈に固定します。
利点としては、手術のほとんどは局所麻酔か硬膜外麻酔で行えるため、侵襲が小さいので術後3日以内に大半の患者が退院できます。ただ、欠点としては2次的処置の必要性が外科手術より高かったり、高い技術(一度ステントを広げると、再処置が難しいなど)を要する点が挙げられます。
現在、保険適応は開腹手術のしづらいハイリスク症例(高齢、心肺合併症、開腹手術の既往、肥満など)に限られています。
今後、こうした手術が広まり、より侵襲が低く安全に大動脈瘤治療が行われることを期待しております。
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本当は怖い足の冷え−閉塞性動脈硬化症
ステントグラフトは細かく折りたたまれ、鉛筆ほどの太さのカテーテルに装填されています(折りたたみ傘のように)。このカテーテルを経皮的あるいは外科的に露出した大腿動脈からレントゲン透視下に挿入し,所定の位置でステントを広げることにより人工血管を大動脈に固定します。
利点としては、手術のほとんどは局所麻酔か硬膜外麻酔で行えるため、侵襲が小さいので術後3日以内に大半の患者が退院できます。ただ、欠点としては2次的処置の必要性が外科手術より高かったり、高い技術(一度ステントを広げると、再処置が難しいなど)を要する点が挙げられます。
現在、保険適応は開腹手術のしづらいハイリスク症例(高齢、心肺合併症、開腹手術の既往、肥満など)に限られています。
今後、こうした手術が広まり、より侵襲が低く安全に大動脈瘤治療が行われることを期待しております。
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