22日午後8時50分ごろ、岡山県倉敷市の山陽自動車道を、広島県福山市の会社役員男性(74)運転の軽乗用車が逆走し、避けようとした兵庫県尼崎市の左官男性(24)運転のワゴン車が中央分離帯に衝突、横転した。

助手席の同市の男性(43)が重傷、20〜30代の男性6人が軽傷。
会社役員の男性は認知症だという。
(認知症74歳、山陽道逆走 避けた車の7人負傷)


認知症とは、発育過程で獲得した精神機能(知能、記憶、判断力、理解力、抽象能力、言語、行為能力、認識、見当識、感情、意欲、性格など)が、脳の器質的障害によって障害され、そのことによって独立した日常生活・社会生活や円滑な人間関係を営めなくなった状態をいいます。

多くの場合、非可逆性で改善が困難であるといわれています。ただ、正常圧水頭症など治療により改善する疾患に対しても認知症の用語を用いることがあります。

原因となる疾患は、以下のようにおおまかに分類できます。
・血管性認知症
・変性性認知症:
1)アルツハイマー型痴呆
2)パーキンソン病
3)前頭側頭型痴呆
4)ピック病
5)びまん性レビー小体病
6)ハンチントン病
7)進行性核上性麻痺
・感染:クロイツフェルト・ヤコブ病など
・治療可能な認知症
1)慢性硬膜下血腫
2)正常圧水頭症
3)甲状腺機能低下症

原因となる主な疾患には、脳血管障害、アルツハイマー病などの変性疾患、正常圧水頭症、ビタミンなどの代謝・栄養障害、甲状腺機能低下などがあり、これらの原因により生活に支障をきたすような認知機能障害が表出してきた場合に認知症と診断されます。

症状や交通事故との関連としては、以下のようなものがあります。
中核症状として、記憶障害と認知機能障害(失語・失認・失行・実行機能障害)から成ります。神経細胞の脱落に伴う脱落症状であり、患者全員に見られます。病気の進行とともに徐々に増悪してきます。

周辺症状としては、幻覚・妄想、徘徊、異常な食行動、睡眠障害、抑うつ、不安・焦燥、暴言・暴力などがあります。神経細胞の脱落に伴った残存細胞の異常反応であり、一部の患者に見られます。家族などの介護者を悩ませ、医療機関受診の契機となるのは、だいたいこうした周辺症状です。

運転免許更新時には、実は認知症の有無や認知機能の低下を判定する「簡易検査」を義務付ける方針を2006年に示しています。簡易検査では、中核症状である日付や自分のいる場所などの本人の認識能力(見当識)や、記憶力を確認するそうです。「認知症の疑い」が判断された時は、専門医の診断に移行するそうです。

対象年齢については、75歳以上と70歳以上、60歳以上などで検討を進めてきたそうです。現在では、70歳以上から免許更新時に約3時間の高齢者講習を義務付けており、これに簡易検査を加えるには、受講者の負担が大きくなるということや、実際に事故率も高くなる高年齢者を対象にした方が妥当として、75歳からの導入を軸に検討しているそうです。

こうした動きは、高齢者のドライバーによる深刻な交通事故が目立つことを受けたものです。実例としては、04年2月、新潟市内の農道で、70歳代の男性の軽トラックが出合い頭に乗用車と衝突したケースや、栃木県内で同年7月、60歳代の男性が東北道を逆走して対向車と衝突したケースなどがあります。

しかしながら、上記ニュースでは対象と考えられている75歳未満の男性が事故を起こしてしまっています。病院などで認知症と診断された際には、運転免許の自主返納を義務づけるといったシステム作りが必要になると思われます。

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