以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。
コンピューター関連の会社で働く派遣スタッフのM・K(34)さんは、アフターファイブに同僚と思いっきり飲んで食べるのが楽しみ。飲み過ぎた翌朝は、まぶたの辺りがむくむものの、昼過ぎになるといつもすっかり元通りに戻っていました。
ところが1週間後、前日は飲み会もなく早めに帰宅したはずなのに、顔がむくみ、昼過ぎになってもむくみが取れなかったM・Kさん。その後も、顔以外のむくみや、体重の増加など、様々な異変が続きました。
主な症状としては、以下のようなものがありました。
疲労感や急激な体重増加もあり、「これは普通ではない」と感じるようになり、とうとう病院へ行くことになりました。そこで、彼女に告げられたのは、以下のような病名でした。
コンピューター関連の会社で働く派遣スタッフのM・K(34)さんは、アフターファイブに同僚と思いっきり飲んで食べるのが楽しみ。飲み過ぎた翌朝は、まぶたの辺りがむくむものの、昼過ぎになるといつもすっかり元通りに戻っていました。
ところが1週間後、前日は飲み会もなく早めに帰宅したはずなのに、顔がむくみ、昼過ぎになってもむくみが取れなかったM・Kさん。その後も、顔以外のむくみや、体重の増加など、様々な異変が続きました。
主な症状としては、以下のようなものがありました。
1)原因不明の顔のむくみ
まずは飲んで帰ってきて、そのままソファーにうつぶせで寝てしまった次の日。瞼が腫れぼったく、メイクをしながら顔がむくんでいるのを感じました。
しかしながら、次第に顔のむくみを感じる頻度が多くなり、飲んでもいないのにむくむようになってしまいました。そして、以前は朝にむくんでいても、昼には治っていましたが、昼になっても顔がずっとむくんでいる状態になりました。
そして友人にも、「最近、太ったんじゃない?」などと言われてしまいました。
2)顔以外のむくみ
顔だけではなく、手足のむくみを感じるようになってきました。
3)体重の増加
むくみを感じるようになってから、体重を量ると、2日前にくらべて1Kg太っていました。
4)急激な体重の増加
むくみを気にしだして、「太ったのかな?」と思い出した頃、2週間で4.5Kgもの体重増加がありました。とくに食生活の変化もないのに、こうした急激な体重増加がみられています。
5)疲労感
むくみや体重の増加を自覚していくとともに、今度は体が怠くなってきているのを感じました。朝起きあがるのもつらく、仕事をしていてもふらついてしまいます。
疲労感や急激な体重増加もあり、「これは普通ではない」と感じるようになり、とうとう病院へ行くことになりました。そこで、彼女に告げられたのは、以下のような病名でした。
彼女に告げられた診断名は、「ネフローゼ症候群」でした。
ネフローゼ症候群とは、何らかの原因で腎臓の機能が異常をきたし、血液中の水分をコントロールするタンパク質が、尿として排泄され減少する疾患です。その結果、体内にどんどん水分が溜まり、M・Kさんのようにむくみや、体重増加をきたします。最悪の場合、腎不全により死に至ることもあります。
症状としては、高脂血症(高コレステロール血症)、低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫(眼瞼や下肢)などがあります。さらに重症化してくると、強度の全身倦怠感、皮膚の蒼白化や無気力、食欲不振、腹水・胸水などをみることもあります。アルブミンなどの血中タンパクが排泄されるため、血中タンパクが減少し、血漿膠質浸透圧が低下する。このため、全身に浮腫を形成する傾向が現れてきます。
若年層(特に幼少期では男子)に多く発症しますが、30代の男女も発症例も多数報告されています。患者数は毎年増加し続けています。はっきりとした原因はまだわかっていませんが、花粉症など、アレルギー体質の人に多いと言われています。
そもそもむくみとは、血液中の水分が外の細胞間に染み出し、その部分が膨れ上がってしまうことを指します。一般的には、疲労や睡眠不足、アルコール、水分・塩分の摂りすぎによって起きるもので、一過性のもので、時間が経つと、血管中の水分量を調整するたんぱく質が働き、次第に元通りになります。
ところが、ネフローゼ症候群になると、その重要な役割を持つたんぱく質が尿に漏れ出し、減少します。そのため、通常なら血管内に戻る水分が戻れなくなり、むくみが取れなくなるのです。ひどい疲労感や倦怠感は、水分が失われ続け、血液の量が減少した結果、低血圧となり、起こったと考えられます。
M・Kさんは、2ヶ月にわたる入院治療の結果、ようやく職場に復帰することができました。治療としては、入院の上で安静臥床をし、2次性のものは原因治療を行います。食事療法も行い、蛋白質摂取制限および塩分制限をします。塩分は1日5g〜7g、摂取カロリーは35kcal/kg(標準体重)/日程度とします。
薬物療法としては、副腎皮質ステロイドを投与します。ステロイド抵抗性や頻回再発型には、免疫抑制剤を投与します。浮腫に対して対症的に利尿剤、尿蛋白抑制のため抗凝固薬を使用することもあります。
アレルギー体質があり、むくみが続くようなことや、倦怠感を感じるようなことがありましたら、お気をつけ下さい。
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ネフローゼ症候群とは、何らかの原因で腎臓の機能が異常をきたし、血液中の水分をコントロールするタンパク質が、尿として排泄され減少する疾患です。その結果、体内にどんどん水分が溜まり、M・Kさんのようにむくみや、体重増加をきたします。最悪の場合、腎不全により死に至ることもあります。
症状としては、高脂血症(高コレステロール血症)、低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫(眼瞼や下肢)などがあります。さらに重症化してくると、強度の全身倦怠感、皮膚の蒼白化や無気力、食欲不振、腹水・胸水などをみることもあります。アルブミンなどの血中タンパクが排泄されるため、血中タンパクが減少し、血漿膠質浸透圧が低下する。このため、全身に浮腫を形成する傾向が現れてきます。
若年層(特に幼少期では男子)に多く発症しますが、30代の男女も発症例も多数報告されています。患者数は毎年増加し続けています。はっきりとした原因はまだわかっていませんが、花粉症など、アレルギー体質の人に多いと言われています。
そもそもむくみとは、血液中の水分が外の細胞間に染み出し、その部分が膨れ上がってしまうことを指します。一般的には、疲労や睡眠不足、アルコール、水分・塩分の摂りすぎによって起きるもので、一過性のもので、時間が経つと、血管中の水分量を調整するたんぱく質が働き、次第に元通りになります。
ところが、ネフローゼ症候群になると、その重要な役割を持つたんぱく質が尿に漏れ出し、減少します。そのため、通常なら血管内に戻る水分が戻れなくなり、むくみが取れなくなるのです。ひどい疲労感や倦怠感は、水分が失われ続け、血液の量が減少した結果、低血圧となり、起こったと考えられます。
M・Kさんは、2ヶ月にわたる入院治療の結果、ようやく職場に復帰することができました。治療としては、入院の上で安静臥床をし、2次性のものは原因治療を行います。食事療法も行い、蛋白質摂取制限および塩分制限をします。塩分は1日5g〜7g、摂取カロリーは35kcal/kg(標準体重)/日程度とします。
薬物療法としては、副腎皮質ステロイドを投与します。ステロイド抵抗性や頻回再発型には、免疫抑制剤を投与します。浮腫に対して対症的に利尿剤、尿蛋白抑制のため抗凝固薬を使用することもあります。
アレルギー体質があり、むくみが続くようなことや、倦怠感を感じるようなことがありましたら、お気をつけ下さい。
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