以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。
大手百貨店で働くS・K(41)さんは、特設お歳暮売り場の責任者。徹夜した翌日も残業し、ようやく終電に乗れたものの、目の前に激しく咳き込む乗客がいました。ここで風邪をひいたらまずいな、と思ったS・Kさんでしたが、その後、案の定、喉にイガイガした違和感を覚え、翌日になると、つばを飲み込むと喉にかなりの痛みを感じるように。
病院で風邪と診断され、処方された薬を飲んでいたところ、体調はよくなりましたが、その後も様々な異変が続きました。具体的には、以下のような症状がありました。
喉の違和感を感じるようになって、およそ1週間でS・Kさんは亡くなってしまいました。彼の命を奪った疾患は、以下のようなものでした。
大手百貨店で働くS・K(41)さんは、特設お歳暮売り場の責任者。徹夜した翌日も残業し、ようやく終電に乗れたものの、目の前に激しく咳き込む乗客がいました。ここで風邪をひいたらまずいな、と思ったS・Kさんでしたが、その後、案の定、喉にイガイガした違和感を覚え、翌日になると、つばを飲み込むと喉にかなりの痛みを感じるように。
病院で風邪と診断され、処方された薬を飲んでいたところ、体調はよくなりましたが、その後も様々な異変が続きました。具体的には、以下のような症状がありました。
1)喉の違和感
風邪を引いたときのように、喉にイガイガした違和感を感じるようになりました。この違和感は内科の病院に行って処方された薬を飲み、体の調子が良くなってきても続いていました。
2)つばを飲むと喉が痛む
喉の違和感に加え、痛みもありました。特に、何かを飲み込むときに痛みを感じ、食事をする際には、水で喉を潤す必要がありました。
3)声がこもる
病院で処方された薬を飲んでいたところ、体調は良くなってきたと感じていましたが、喉の違和感を感じてから5日後、朝起きてみると声の調子が悪くなり、低くこもったような声になっていました。
4)息苦しい
声がこもったような感じや、喉の違和感はありましたが、久しぶりの休日ということで娘に付き合い、公園で自転車に乗る練習をしていました。その時、急に息苦しくなり呼吸がしづらい状態になりました。
5)呼吸困難
公園で息苦しさを感じ、その場に倒れ込んでしまいました。救急車で病院へ運ばれ、そこで気管切開などの処置がとられました。しかしながら懸命の努力虚しく、S・Kさんは返らぬ人となってしまいました。
喉の違和感を感じるようになって、およそ1週間でS・Kさんは亡くなってしまいました。彼の命を奪った疾患は、以下のようなものでした。
S・Kさんが患っていたのは、「急性喉頭蓋炎」でした。
急性喉頭蓋炎とは、喉頭蓋の細菌感染による炎症をきたす疾患のことです。喉頭蓋とは、物を飲み込む時に気道をふさぐ役割をしています。この喉頭蓋に、細菌(多くはインフルエンザ菌)が感染し、急激に腫れることで呼吸困難に陥ってしまいます。
年間患者数およそ1万4千人といわれ、これからの季節、特に気を付けなければならない病気です。海外では小児(2〜5歳程度)に多いとされていますが、国内では成人に多いという違いがあります。
症状としては、発熱、のどの痛み、嚥下するときの痛み、 呼吸困難や喘鳴、含み声と呼ばれる、「マフラーを巻いたような声」が生じてきます。
軽症以外では、窒息の恐れがあるため、入院治療を行います。呼吸困難がない場合は、細菌感染に対して抗生剤、喉頭蓋のはれを軽くする目的でステロイドホルモンの点滴を行います。その間、呼吸困難が増強しないか厳重に観察し、治療します。
呼吸困難が著しい場合や、短時間のうちに窒息が起こると思われる時は、気管内挿管や気管切開術により緊急気道確保の処置を行います(S・Kさんの例でも行われていました)。
何故、S・Kさんが「急性喉頭蓋炎」になってしまったのかというと、発端は、電車の中で前の人が咳をしていたことです。結果、細菌が飛沫となってS・Kさんの口の中へ入ってしまいました。
通常であれば、この菌は喉の入り口付近でとどまり、いわゆる風邪となりますが、S・Kさんの場合は、奥の喉頭蓋にまで細菌が侵入してしまいました。通常の免疫力があれば、抑え込むことができますが、彼は残業、残業の毎日で免疫力が落ちていました。結果、細菌を抑え込めなくなってしまいました。
喉頭蓋は、突き出していて独立した器官であり、細菌はここだけで局所的に増殖するため、他の粘膜よりも治りにくいといわれています。S・Kさんの場合も処方された薬で病状は幾分治まったものの、完全には治りきっていませんでした。ここで医師の言う通り、再度病院へ行っていれば、さらなる検査(喉頭ファイバーなど)で本当の病が発見されたかも知れません。
ところが彼は、症状がやわらいだことで病院に行こうとはしませんでした。結果、生き延びていた細菌が猛烈な勢いで増殖。そして、「マフラーを巻いたような」声がこもる状態になってしまったのです。
急性喉頭蓋炎になると、喉頭蓋が腫れて空気の通り道が狭くなるため、風邪のような鼻声や声のかすれではなく、声質がこもってしまうという特徴があります。そんな状態にもかかわらず、病を放置してしまい、無理して外に出てしまったために喉頭蓋は急速に腫れ、完全に気道を塞いでしまいました。
ストレスや疲れなどで、免疫力が落ちていると、体内に常在する細菌(嫌気性菌を主体とする常在菌)でも急性喉頭蓋炎は発症すると言われています。上記のような喉の違和感を感じたら、是非とも耳鼻咽喉科に行ってもらいたいと思います。
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本当は怖い喉の痛み 症例2−下咽頭癌
急性喉頭蓋炎とは、喉頭蓋の細菌感染による炎症をきたす疾患のことです。喉頭蓋とは、物を飲み込む時に気道をふさぐ役割をしています。この喉頭蓋に、細菌(多くはインフルエンザ菌)が感染し、急激に腫れることで呼吸困難に陥ってしまいます。
年間患者数およそ1万4千人といわれ、これからの季節、特に気を付けなければならない病気です。海外では小児(2〜5歳程度)に多いとされていますが、国内では成人に多いという違いがあります。
症状としては、発熱、のどの痛み、嚥下するときの痛み、 呼吸困難や喘鳴、含み声と呼ばれる、「マフラーを巻いたような声」が生じてきます。
軽症以外では、窒息の恐れがあるため、入院治療を行います。呼吸困難がない場合は、細菌感染に対して抗生剤、喉頭蓋のはれを軽くする目的でステロイドホルモンの点滴を行います。その間、呼吸困難が増強しないか厳重に観察し、治療します。
呼吸困難が著しい場合や、短時間のうちに窒息が起こると思われる時は、気管内挿管や気管切開術により緊急気道確保の処置を行います(S・Kさんの例でも行われていました)。
何故、S・Kさんが「急性喉頭蓋炎」になってしまったのかというと、発端は、電車の中で前の人が咳をしていたことです。結果、細菌が飛沫となってS・Kさんの口の中へ入ってしまいました。
通常であれば、この菌は喉の入り口付近でとどまり、いわゆる風邪となりますが、S・Kさんの場合は、奥の喉頭蓋にまで細菌が侵入してしまいました。通常の免疫力があれば、抑え込むことができますが、彼は残業、残業の毎日で免疫力が落ちていました。結果、細菌を抑え込めなくなってしまいました。
喉頭蓋は、突き出していて独立した器官であり、細菌はここだけで局所的に増殖するため、他の粘膜よりも治りにくいといわれています。S・Kさんの場合も処方された薬で病状は幾分治まったものの、完全には治りきっていませんでした。ここで医師の言う通り、再度病院へ行っていれば、さらなる検査(喉頭ファイバーなど)で本当の病が発見されたかも知れません。
ところが彼は、症状がやわらいだことで病院に行こうとはしませんでした。結果、生き延びていた細菌が猛烈な勢いで増殖。そして、「マフラーを巻いたような」声がこもる状態になってしまったのです。
急性喉頭蓋炎になると、喉頭蓋が腫れて空気の通り道が狭くなるため、風邪のような鼻声や声のかすれではなく、声質がこもってしまうという特徴があります。そんな状態にもかかわらず、病を放置してしまい、無理して外に出てしまったために喉頭蓋は急速に腫れ、完全に気道を塞いでしまいました。
ストレスや疲れなどで、免疫力が落ちていると、体内に常在する細菌(嫌気性菌を主体とする常在菌)でも急性喉頭蓋炎は発症すると言われています。上記のような喉の違和感を感じたら、是非とも耳鼻咽喉科に行ってもらいたいと思います。
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