ディーゼル車の排ガスなどに含まれる極めて微小な粒子(ナノ粒子)を妊娠中に取り込んだサルから生まれたばかりの子の肺に、急激なアレルギー反応で引き起こされる細胞の障害や細胞死が多発していることを、栃木臨床病理研究所と東京理科大、京都大などの研究グループが22日までに実験で突き止めた。
グループは「人間でも妊娠中の母親がディーゼル粒子を吸い込むことが、生まれた子どものぜんそくや乳幼児突然死症候群などの原因となっている可能性を示す」と指摘。疫学調査などさらに詳しい研究が必要だとしている。研究論文は世界周産期医学会の最新の論文集に掲載された。
研究グループは、妊娠中のアカゲザル3匹の背中の皮下にディーゼル粒子を注射。それぞれから生まれた3匹の肺の組織を調べた。子ザルの肺の細胞には、アレルギー反応に関連する「マスト細胞」が多数確認され、肺の中で酸素を取り込む役割を果たす細胞の多くが死んだり変性したりしていた。通常、出生直後の肺の細胞でアレルギー反応が起こることはないという。一方、妊娠中にディーゼル粒子を注射しなかったアカゲザルの子に異常はなかった。
注射で母ザルの体内に入れた量は、大気汚染が激しい地域で人間が呼吸によって取り込む量とほぼ同じ。妊娠したマウスに、実際の大気中で観測される程度の濃度のディーゼル粒子を吸わせ、生まれた子の肺細胞を調べる実験でも、同様の症状が確認された。
菅又昌雄・栃木臨床病理研究所長は「粒径が小さいナノ粒子は、血液中に入り組織にたまりやすいので、出生前から胎児の肺細胞にさまざまな障害を与えたのだろう」と話している。
(ナノ粒子で子どもの肺に害 母体通じて体内に)
喘息とは、アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで、気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的な喘鳴、咳などの症状をきたす呼吸器疾患です。
環境刺激因子(アレルゲンと呼ばれ、大気汚染も含まれディーゼル粒子なども)、寒気、運動、ストレスなどの種々の刺激が引き金となり、これらに対する過敏反応として、気管支平滑筋、気道粘膜の浮腫、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こります。気道狭窄によって、喘鳴、息切れ、咳などの症状が起こってきます。
喘息で命を落とす人は、国内で年間約3,000人もいるといわれています。死亡率は、米国では人口10万人あたり1.4人、豪州は1.1人と、欧米先進国は平均して2人以下なのに対し、日本では約2.5人と高いです。
死者が最も多いのは60歳以上の高齢者ですが、若い男性の死亡も目立っています。20〜30代の男性の死亡率を見ると、欧米では100万人あたり約0.4〜1人なのに対し、日本では4〜6人とかなり高くなっています。また、死亡率は地域によって差があり、“西高東低”の傾向があるそうです。
こうした喘息の原因は、呼吸に関連して起こってくると考えられますが、上記のニュースでは、母胎のディーゼル粒子の血中濃度によっても喘息や乳幼児突然死症候群(SIDS)などが起こるのではないか、と提起しているわけです。
ディーゼル粒子とは、以下のようなものを指します。
グループは「人間でも妊娠中の母親がディーゼル粒子を吸い込むことが、生まれた子どものぜんそくや乳幼児突然死症候群などの原因となっている可能性を示す」と指摘。疫学調査などさらに詳しい研究が必要だとしている。研究論文は世界周産期医学会の最新の論文集に掲載された。
研究グループは、妊娠中のアカゲザル3匹の背中の皮下にディーゼル粒子を注射。それぞれから生まれた3匹の肺の組織を調べた。子ザルの肺の細胞には、アレルギー反応に関連する「マスト細胞」が多数確認され、肺の中で酸素を取り込む役割を果たす細胞の多くが死んだり変性したりしていた。通常、出生直後の肺の細胞でアレルギー反応が起こることはないという。一方、妊娠中にディーゼル粒子を注射しなかったアカゲザルの子に異常はなかった。
注射で母ザルの体内に入れた量は、大気汚染が激しい地域で人間が呼吸によって取り込む量とほぼ同じ。妊娠したマウスに、実際の大気中で観測される程度の濃度のディーゼル粒子を吸わせ、生まれた子の肺細胞を調べる実験でも、同様の症状が確認された。
菅又昌雄・栃木臨床病理研究所長は「粒径が小さいナノ粒子は、血液中に入り組織にたまりやすいので、出生前から胎児の肺細胞にさまざまな障害を与えたのだろう」と話している。
(ナノ粒子で子どもの肺に害 母体通じて体内に)
喘息とは、アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで、気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的な喘鳴、咳などの症状をきたす呼吸器疾患です。
環境刺激因子(アレルゲンと呼ばれ、大気汚染も含まれディーゼル粒子なども)、寒気、運動、ストレスなどの種々の刺激が引き金となり、これらに対する過敏反応として、気管支平滑筋、気道粘膜の浮腫、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こります。気道狭窄によって、喘鳴、息切れ、咳などの症状が起こってきます。
喘息で命を落とす人は、国内で年間約3,000人もいるといわれています。死亡率は、米国では人口10万人あたり1.4人、豪州は1.1人と、欧米先進国は平均して2人以下なのに対し、日本では約2.5人と高いです。
死者が最も多いのは60歳以上の高齢者ですが、若い男性の死亡も目立っています。20〜30代の男性の死亡率を見ると、欧米では100万人あたり約0.4〜1人なのに対し、日本では4〜6人とかなり高くなっています。また、死亡率は地域によって差があり、“西高東低”の傾向があるそうです。
こうした喘息の原因は、呼吸に関連して起こってくると考えられますが、上記のニュースでは、母胎のディーゼル粒子の血中濃度によっても喘息や乳幼児突然死症候群(SIDS)などが起こるのではないか、と提起しているわけです。
ディーゼル粒子とは、以下のようなものを指します。
ディーゼル粒子とは、ディーゼル車の排ガスに含まれる黒煙に含まれており、炭素の小さな粒子の周囲にさまざまな有害化学物質が付着しています。
あらかじめ空気とガソリンを混合して圧縮するガソリンエンジンと異なり、温度の上がった空気の中に燃料のみを噴射する拡散燃焼という原理をとっているため、着火から燃焼が均一にならないため、粒子状物質・黒煙・窒素酸化物 (NOx) などが発生しやすいことが欠点であるといわれ、環境への影響が指摘されています。
粒子状物質は、10μm以下の細かい粒子が多く、特に大気中に長く浮遊することから、浮遊粒子状物質(SPM)と呼ばれることもあります。大気汚染の主要因とされ、浮遊粒子状物質は、人の気道や肺に沈着して健康を損ねるといわれています。また、表面には多環芳香族炭化水素が付着しているといわれ、人体への影響が懸念されます。
他にも、二酸化窒素 (NO2) 自体は中性で肺から吸収されやすい赤褐色の気体または液体であり、細胞内では二酸化窒素は強い酸化作用を示して細胞を傷害するといわれています。よって、粘膜の刺激、気管支炎、肺水腫などの原因となると指摘されています。一酸化窒素(NO)はヘモグロビンとの親和性が強いことが知られており、酸素や一酸化炭素よりも強くヘモグロビンと結合し、酸素との結合を阻害してしまいます。
現在は、微粒子除去装置などが開発されていたり、東京都が2003年10月から実施した環境確保条例では、国の規制を満たさないディーゼル車が東京23区及び多摩地区で運行することを禁止していたり、排出ガス規制などが行われてきています。
今後、こうした研究により、人体や環境への影響がどのようなものなのかなど、データを蓄積し、規制やより効率的な微粒子除去装置開発などがなされることが期待されます。
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あらかじめ空気とガソリンを混合して圧縮するガソリンエンジンと異なり、温度の上がった空気の中に燃料のみを噴射する拡散燃焼という原理をとっているため、着火から燃焼が均一にならないため、粒子状物質・黒煙・窒素酸化物 (NOx) などが発生しやすいことが欠点であるといわれ、環境への影響が指摘されています。
粒子状物質は、10μm以下の細かい粒子が多く、特に大気中に長く浮遊することから、浮遊粒子状物質(SPM)と呼ばれることもあります。大気汚染の主要因とされ、浮遊粒子状物質は、人の気道や肺に沈着して健康を損ねるといわれています。また、表面には多環芳香族炭化水素が付着しているといわれ、人体への影響が懸念されます。
他にも、二酸化窒素 (NO2) 自体は中性で肺から吸収されやすい赤褐色の気体または液体であり、細胞内では二酸化窒素は強い酸化作用を示して細胞を傷害するといわれています。よって、粘膜の刺激、気管支炎、肺水腫などの原因となると指摘されています。一酸化窒素(NO)はヘモグロビンとの親和性が強いことが知られており、酸素や一酸化炭素よりも強くヘモグロビンと結合し、酸素との結合を阻害してしまいます。
現在は、微粒子除去装置などが開発されていたり、東京都が2003年10月から実施した環境確保条例では、国の規制を満たさないディーゼル車が東京23区及び多摩地区で運行することを禁止していたり、排出ガス規制などが行われてきています。
今後、こうした研究により、人体や環境への影響がどのようなものなのかなど、データを蓄積し、規制やより効率的な微粒子除去装置開発などがなされることが期待されます。
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