ニュージーランドの研究者らによると、更年期以降の女性にとって、カルシウムのサプリメント摂取が心臓発作のリスク増大につながる恐れがあるという。
カルシウムのサプリメントは、更年期以降の女性の骨量維持を目的に使用されることが多く、カルシウムには悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールの値を下げる働きがあり、血管障害の予防になるという説もある。
一方、オークランド大の研究チームが更年期以降の女性1471人を対象に行った調査では、カルシウムのサプリメントを摂取していたグループの方が、摂取していないグループより心臓発作の割合が高いことが明らかになった。
研究では、732人の女性にカルシウムのサプリメントを投与する一方、残りの739人には疑似サプリメントを投与し、5年にわたって6カ月ごとに追跡調査を実施。心臓発作の回数は、疑似サプリメントを与えられたグループが21人で合計22回だったのに対し、カルシウムを与えられたグループは31人で合計36回だったという。
(カルシウム過剰摂取、年配女性は心臓発作リスクの増大も)
心臓発作heart attackは、心臓発症ともいいます。心臓発症とは、急性心筋梗塞、不安定狭心症あるいは突然死など、きわめて重篤な病態が突然に発症することをいいます。
多くは突然の冠血流量低下による心筋虚血(心筋梗塞など)や、重篤な不整脈が原因で生じます。心筋梗塞は、心筋を栄養している冠動脈が血栓により詰まり(冠動脈の粥状動脈硬化による狭窄病変を基礎として、粥腫が破裂し、血栓形成が起こります)、心筋が虚血に陥って心筋が壊死に陥る状態を指します。
一般的に、心筋梗塞のリスクファクターとしては、喫煙や高コレステロール血症(特に高LDLコレステロール血症)、糖尿病、高血圧、加齢(男性45歳以上、女性65歳以上)やストレスなどが原因となります。
上記のニュースでは、こうしたものの他にカルシウムの過剰投与により、心臓発作の割合が高くなるのではないか、とのことです。
一方で、「カルシウムのサプリメントは、更年期以降の女性の骨量維持を目的に使用されることが多く、カルシウムには悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールの値を下げる働きがあり、血管障害の予防になるという説」もあり、どちらが正しいのか分かりません。ですが、上記の報告例でも、果たして本当に有意な差が出ているのかも分かりません。
ちなみに、血清カルシウム濃度が 10.4mg/dl 以上の場合を高Ca血症といいます。こうした高Ca血症がある場合、以下のような症状が現れます。
カルシウムのサプリメントは、更年期以降の女性の骨量維持を目的に使用されることが多く、カルシウムには悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールの値を下げる働きがあり、血管障害の予防になるという説もある。
一方、オークランド大の研究チームが更年期以降の女性1471人を対象に行った調査では、カルシウムのサプリメントを摂取していたグループの方が、摂取していないグループより心臓発作の割合が高いことが明らかになった。
研究では、732人の女性にカルシウムのサプリメントを投与する一方、残りの739人には疑似サプリメントを投与し、5年にわたって6カ月ごとに追跡調査を実施。心臓発作の回数は、疑似サプリメントを与えられたグループが21人で合計22回だったのに対し、カルシウムを与えられたグループは31人で合計36回だったという。
(カルシウム過剰摂取、年配女性は心臓発作リスクの増大も)
心臓発作heart attackは、心臓発症ともいいます。心臓発症とは、急性心筋梗塞、不安定狭心症あるいは突然死など、きわめて重篤な病態が突然に発症することをいいます。
多くは突然の冠血流量低下による心筋虚血(心筋梗塞など)や、重篤な不整脈が原因で生じます。心筋梗塞は、心筋を栄養している冠動脈が血栓により詰まり(冠動脈の粥状動脈硬化による狭窄病変を基礎として、粥腫が破裂し、血栓形成が起こります)、心筋が虚血に陥って心筋が壊死に陥る状態を指します。
一般的に、心筋梗塞のリスクファクターとしては、喫煙や高コレステロール血症(特に高LDLコレステロール血症)、糖尿病、高血圧、加齢(男性45歳以上、女性65歳以上)やストレスなどが原因となります。
上記のニュースでは、こうしたものの他にカルシウムの過剰投与により、心臓発作の割合が高くなるのではないか、とのことです。
一方で、「カルシウムのサプリメントは、更年期以降の女性の骨量維持を目的に使用されることが多く、カルシウムには悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールの値を下げる働きがあり、血管障害の予防になるという説」もあり、どちらが正しいのか分かりません。ですが、上記の報告例でも、果たして本当に有意な差が出ているのかも分かりません。
ちなみに、血清カルシウム濃度が 10.4mg/dl 以上の場合を高Ca血症といいます。こうした高Ca血症がある場合、以下のような症状が現れます。
血清Ca濃度が 12mg/dl 以上になると、食欲不振、悪心・嘔吐、便秘といった消化器症状や、多尿、易疲労感、錯乱、昏迷、昏睡などの中枢神経系の症状がみられます。多尿によっては、脱水状態、高血圧、徐脈がみられることもあります。
こうした高カルシウム血症は、薬剤(骨粗鬆症患者など、活性型ビタミンD剤やカルシウム剤などを服用している場合など)や肺癌などの悪性腫瘍(PTHrPというホルモンを産生したりして、血中カルシウムが上昇する)原因となります。
特に、血清Ca濃度が14.0mg/dl以上であれば、高Ca血症の原因や症状、徴候の有無にかかわらず、血清Ca濃度を低下させる必要があります。治療としては、高Ca血症に起因する脱水を、生理食塩水3〜4l/24〜48時間以上の持続点滴で是正させ、カルシウムを尿中に排泄させるのを促進させます。
何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」とよく言ったものですが、カルシウムの摂りすぎにも注意した方が良さそうです。ただ、特に骨粗鬆症の問題となる閉経後の女性は、しっかりと目標カルシウム量(成人男性で650mg、成人女性で600mg)を摂取することを心がけ、ウォーキングなど、体を動かすことが重要であると思われます。
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こうした高カルシウム血症は、薬剤(骨粗鬆症患者など、活性型ビタミンD剤やカルシウム剤などを服用している場合など)や肺癌などの悪性腫瘍(PTHrPというホルモンを産生したりして、血中カルシウムが上昇する)原因となります。
特に、血清Ca濃度が14.0mg/dl以上であれば、高Ca血症の原因や症状、徴候の有無にかかわらず、血清Ca濃度を低下させる必要があります。治療としては、高Ca血症に起因する脱水を、生理食塩水3〜4l/24〜48時間以上の持続点滴で是正させ、カルシウムを尿中に排泄させるのを促進させます。
何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」とよく言ったものですが、カルシウムの摂りすぎにも注意した方が良さそうです。ただ、特に骨粗鬆症の問題となる閉経後の女性は、しっかりと目標カルシウム量(成人男性で650mg、成人女性で600mg)を摂取することを心がけ、ウォーキングなど、体を動かすことが重要であると思われます。
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