歯は、年を取れば黄ばんでくるし、コーヒー、紅茶、コーラや、たばこなどの常用でも色がつく。ほかに、病気や薬の作用で歯が正常に形成されなかったり、変色したりする場合がある。歯の神経を抜く治療や、ころぶなどで歯を打撲することも変色の原因になる。
Aさんの場合は、テトラサイクリン系という抗菌薬による変色だ。小児期や、母親が妊娠後期にこの薬を服用すると、成長期の小学生のころに黄色い変色が現れる。この薬は1965〜70年をピークに生産されたため、主にこの時期に胎児や子供だった年代の人に起こっている。
Aさんは変色が始まった当時、一生懸命に歯を磨いたが、効果はなかった。大人になって、歯を削ってセラミックをはりつけたり、人工の差し歯にして白くする方法も知ったが、「高額な費用がかかるし、歯を傷つけるのは避けたい」と考え、行わなかった。
10年前、東京・中目黒の近藤歯科で受けたのが「ホワイトニング」。歯の型をとり、「トレー」と呼ばれるマウスピースを作る。そこにチューブから薬剤を入れ、自宅ではめておく。
「毎日3、4時間トレーをつけて、1週間過ぎると、うそのように白くなったので驚きました」。数年後、やや黄ばんできたが、再度やってみると、白くなった。
同歯科院長の近藤隆一さんによると、薬剤の主成分は過酸化尿素で、漂白作用がある。薬剤の濃度により、トレーの装着時間は1日30分から8時間まで決められている。週2、3度は装着し、効果を実感するには3〜4週間は必要という。
「1日30分の人から一晩つける人まで、その人の希望に合わせて薬剤を選びます。装着時間が短い人には高濃度の薬を使いますが、一般に、薄めの薬剤を使って時間をかける方が良い結果が出ます」
ホワイトニングを希望するのは、若い女性が多いが、最近は「笑顔を明るくしたい」と、加齢に伴う黄ばみを気にして訪れる団塊の世代の女性も増えている。健康保険はきかず、自費診療の扱いで、5万円以上かかるところが多い。
歯科医院で、強力な漂白作用を持つ高濃度の過酸化水素を使い、短時間で白くする方法もあるが、近藤さんは「変色が強い場合は、自宅でのホワイトニングを併用した方が効果的」という。毎日薬剤を使うと、歯の先にキーンとしみるような痛み(知覚過敏)を覚える場合があるが、やめれば治まる。
日本歯科審美学会長を務める東京医科歯科大教授、田上順次さんは「自宅でトレーをつけるのは大変と思われるかもしれませんが、おしゃべりはできるし、日常生活に支障はなく、歯が傷むこともありません」と話す。歯磨きに熱心だったAさんは、虫歯一つない。それだけに「歯を削って傷つけなくても、白くできる方法と出合えて良かった」と言う。
(ホワイトニング:マウスピースで歯を漂白)
テトラサイクリン系抗生物質は、胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがあり、同様に小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合にも起こる可能性があります。
歯科におけるホワイトニングは、広義の意味では"歯を白くすること"全般を指すことができると思われます。
具体的には、歯のクリーニング、ブリーチング(歯牙漂白のことであり、狭義の意味ではこれにあたると思われる)、マニキュア、ダイレクトボンディング(削った歯の表面に直接樹脂を塗り重ねる)、ラミネートベニヤ(いわばつけ爪のような方法であり、0.5ミリ程削った歯の表面に、セラミック板を貼りつけて白く見せる)、セラミッククラウン(削って成型した歯にセラミックの冠[クラウン]をかぶせる方法)などがあるようです。
上記のような方法は、ブリーチングと呼ばれるものです。仕組みとしては、以下のようなものです。
Aさんの場合は、テトラサイクリン系という抗菌薬による変色だ。小児期や、母親が妊娠後期にこの薬を服用すると、成長期の小学生のころに黄色い変色が現れる。この薬は1965〜70年をピークに生産されたため、主にこの時期に胎児や子供だった年代の人に起こっている。
Aさんは変色が始まった当時、一生懸命に歯を磨いたが、効果はなかった。大人になって、歯を削ってセラミックをはりつけたり、人工の差し歯にして白くする方法も知ったが、「高額な費用がかかるし、歯を傷つけるのは避けたい」と考え、行わなかった。
10年前、東京・中目黒の近藤歯科で受けたのが「ホワイトニング」。歯の型をとり、「トレー」と呼ばれるマウスピースを作る。そこにチューブから薬剤を入れ、自宅ではめておく。
「毎日3、4時間トレーをつけて、1週間過ぎると、うそのように白くなったので驚きました」。数年後、やや黄ばんできたが、再度やってみると、白くなった。
同歯科院長の近藤隆一さんによると、薬剤の主成分は過酸化尿素で、漂白作用がある。薬剤の濃度により、トレーの装着時間は1日30分から8時間まで決められている。週2、3度は装着し、効果を実感するには3〜4週間は必要という。
「1日30分の人から一晩つける人まで、その人の希望に合わせて薬剤を選びます。装着時間が短い人には高濃度の薬を使いますが、一般に、薄めの薬剤を使って時間をかける方が良い結果が出ます」
ホワイトニングを希望するのは、若い女性が多いが、最近は「笑顔を明るくしたい」と、加齢に伴う黄ばみを気にして訪れる団塊の世代の女性も増えている。健康保険はきかず、自費診療の扱いで、5万円以上かかるところが多い。
歯科医院で、強力な漂白作用を持つ高濃度の過酸化水素を使い、短時間で白くする方法もあるが、近藤さんは「変色が強い場合は、自宅でのホワイトニングを併用した方が効果的」という。毎日薬剤を使うと、歯の先にキーンとしみるような痛み(知覚過敏)を覚える場合があるが、やめれば治まる。
日本歯科審美学会長を務める東京医科歯科大教授、田上順次さんは「自宅でトレーをつけるのは大変と思われるかもしれませんが、おしゃべりはできるし、日常生活に支障はなく、歯が傷むこともありません」と話す。歯磨きに熱心だったAさんは、虫歯一つない。それだけに「歯を削って傷つけなくても、白くできる方法と出合えて良かった」と言う。
(ホワイトニング:マウスピースで歯を漂白)
テトラサイクリン系抗生物質は、胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがあり、同様に小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合にも起こる可能性があります。
歯科におけるホワイトニングは、広義の意味では"歯を白くすること"全般を指すことができると思われます。
具体的には、歯のクリーニング、ブリーチング(歯牙漂白のことであり、狭義の意味ではこれにあたると思われる)、マニキュア、ダイレクトボンディング(削った歯の表面に直接樹脂を塗り重ねる)、ラミネートベニヤ(いわばつけ爪のような方法であり、0.5ミリ程削った歯の表面に、セラミック板を貼りつけて白く見せる)、セラミッククラウン(削って成型した歯にセラミックの冠[クラウン]をかぶせる方法)などがあるようです。
上記のような方法は、ブリーチングと呼ばれるものです。仕組みとしては、以下のようなものです。
ブリーチングでは、過酸化水素または過酸化尿素(こちらも過酸化水素に分解されて作用)を漂白剤として用います。過酸化水素は、活性酸素を発生させ、色素などの着色物を酸化・分解させて脱色します。
方法としては、歯科医院で行うものと、自宅で行うものがあるようです。ホワイトニング剤の活性化を行うため、ハロゲンライトやプラズマライト、レーザーなどを照射する歯科医院もあるようです。
ブリーチングのデメリットとしては、ホワイトニング剤の刺激により歯がしみる知覚過敏の症状がおこる可能性があったり、虫歯や歯周病があるなどの場合には、治療後に行う必要がある、といったことがあります。
また、効果も一生のものではなく、早くて半年〜2年程度で歯の色が戻ってしまうことがあるようです。さらに、上記のように変色の原因がテトサイクリンの場合、外因性の変色や加齢による変色より治療時間がかかるといわれています。
ただ、自身のコンプレックスを解消することが出来るという点で、非常に有用な治療法であると思われます。お困りの方がいらっしゃったら、一度、歯科を訪れてはいかがでしょうか。
【関連記事】
本当は怖い歯周病−糖尿病との関連
子供の爪が黒い…もしかして、メラノーマ(悪性黒色腫)?
方法としては、歯科医院で行うものと、自宅で行うものがあるようです。ホワイトニング剤の活性化を行うため、ハロゲンライトやプラズマライト、レーザーなどを照射する歯科医院もあるようです。
ブリーチングのデメリットとしては、ホワイトニング剤の刺激により歯がしみる知覚過敏の症状がおこる可能性があったり、虫歯や歯周病があるなどの場合には、治療後に行う必要がある、といったことがあります。
また、効果も一生のものではなく、早くて半年〜2年程度で歯の色が戻ってしまうことがあるようです。さらに、上記のように変色の原因がテトサイクリンの場合、外因性の変色や加齢による変色より治療時間がかかるといわれています。
ただ、自身のコンプレックスを解消することが出来るという点で、非常に有用な治療法であると思われます。お困りの方がいらっしゃったら、一度、歯科を訪れてはいかがでしょうか。
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