メリーランド州在住の女性が四つ子の赤ちゃんを出産したが、その内3人が一卵性という大変珍しいケースとなった。
四つ子の赤ちゃんは全員が男児で、11週間の早産だったがタウソンのグレーター・ボルティモア・メディカルセンターで1月に無事生まれた。
記録によると、米国では一卵性の三つ子とさらにもう1人が生まれてきたという報告は100件に満たないという。四つ子は新生児集中治療室で2週間半を過ごした後、両親と一緒に無事帰宅した。金曜日に両親が記者会見を行う予定となっている。
(米女性四つ子を出産、その内3人が一卵性)
今年3月には、ニューヨーク州ロングアイランドに住む女性が、体外受精で三つ子の赤ちゃんを生んだと報じられていました。
このケースでも一卵性で生まれており、担当医によれば、体外受精の後、女性の子宮内には受精卵を1つだけ戻したそうです。その後、受精卵は母体内で2つに分裂し、さらにそのうちの一つが再び分裂したのだといいます。結果、一卵性の三つ子が生まれた、というわけです。
多胎妊娠とは、2児以上の胎児が子宮内に存在する状態です。胎児の数により、双胎妊娠(二人の場合)、三胎妊娠、以下四胎妊娠、五胎妊娠…などと呼びます。上記のケースでは、四胎妊娠にあたります。
多胎の種別は、一卵性と多排卵性の組合せで決まります。極めて稀にではありますが、受精卵の分裂が複数回繰り返される場合があり、上記のように一卵性多胎児が誕生する場合があります。なお、一つの受精卵が一度に分裂する個数は二個でしかなく、三つ子以上の一卵性は複数回の分裂が発生していると考えられます。
受精から多胚化までの分割時間により膜性が決定されます。卵膜は外から脱落膜・絨毛膜・羊膜の三層で形成されています。このうち、絨毛膜と羊膜の数による区分が膜性です。3日目以内で2絨毛膜2羊膜性、4〜7日目で1絨毛膜2羊膜性、8〜12日目で1絨毛膜1羊膜性双胎となります。それ以降では分割が不完全で結合双胎となります。
双胎を包んでいる外膜(絨毛膜)が1枚である双胎を一絨毛膜性双胎といい、さらに胎児を包む内膜(羊膜)の数が1枚の一羊膜性双胎と、隔壁が羊膜2枚の二羊膜性双胎に分けられます。一絨毛膜性双胎の5〜35%に双胎間輸血症候群を発症し、二絨毛膜性双胎に比べ周産期死亡率は3倍といわれています。
多胎は排卵誘発薬や体外受精の普及により、増加傾向にありました。ですが、多胎は単胎に比べ早産率、低出生体重児および新生児仮死の頻度、帝王切開率が有意に高いといわれています。
早産は単胎に比べてリスクが10〜15倍であり、低出生体重児は三胎で85.0%に見られます。子宮内胎児発育不全は、リスクが単胎の10倍となっています。
また、母胎に関しても、多胎妊娠では子宮による大静脈の圧迫、横隔膜挙上による呼吸ポンプ作用の低下などにより深部静脈血栓症の発症頻度が高くなってしまいます。前期破水、尿路感染症、前置胎盤、羊水過多症が高率となってきます。
そのため、日本産科婦人科学会は4月12日の総会で、双子など多胎妊娠を防ぐため、不妊治療の体外受精でできた受精卵を子宮へ戻す数について「原則1個とし、35歳以上、または2回以上続けて妊娠できなかった女性などには2個戻すことも許容する」という案を正式決定しています。
多胎妊娠における治療としては、以下のようなものがあります。
四つ子の赤ちゃんは全員が男児で、11週間の早産だったがタウソンのグレーター・ボルティモア・メディカルセンターで1月に無事生まれた。
記録によると、米国では一卵性の三つ子とさらにもう1人が生まれてきたという報告は100件に満たないという。四つ子は新生児集中治療室で2週間半を過ごした後、両親と一緒に無事帰宅した。金曜日に両親が記者会見を行う予定となっている。
(米女性四つ子を出産、その内3人が一卵性)
今年3月には、ニューヨーク州ロングアイランドに住む女性が、体外受精で三つ子の赤ちゃんを生んだと報じられていました。
このケースでも一卵性で生まれており、担当医によれば、体外受精の後、女性の子宮内には受精卵を1つだけ戻したそうです。その後、受精卵は母体内で2つに分裂し、さらにそのうちの一つが再び分裂したのだといいます。結果、一卵性の三つ子が生まれた、というわけです。
多胎妊娠とは、2児以上の胎児が子宮内に存在する状態です。胎児の数により、双胎妊娠(二人の場合)、三胎妊娠、以下四胎妊娠、五胎妊娠…などと呼びます。上記のケースでは、四胎妊娠にあたります。
多胎の種別は、一卵性と多排卵性の組合せで決まります。極めて稀にではありますが、受精卵の分裂が複数回繰り返される場合があり、上記のように一卵性多胎児が誕生する場合があります。なお、一つの受精卵が一度に分裂する個数は二個でしかなく、三つ子以上の一卵性は複数回の分裂が発生していると考えられます。
受精から多胚化までの分割時間により膜性が決定されます。卵膜は外から脱落膜・絨毛膜・羊膜の三層で形成されています。このうち、絨毛膜と羊膜の数による区分が膜性です。3日目以内で2絨毛膜2羊膜性、4〜7日目で1絨毛膜2羊膜性、8〜12日目で1絨毛膜1羊膜性双胎となります。それ以降では分割が不完全で結合双胎となります。
双胎を包んでいる外膜(絨毛膜)が1枚である双胎を一絨毛膜性双胎といい、さらに胎児を包む内膜(羊膜)の数が1枚の一羊膜性双胎と、隔壁が羊膜2枚の二羊膜性双胎に分けられます。一絨毛膜性双胎の5〜35%に双胎間輸血症候群を発症し、二絨毛膜性双胎に比べ周産期死亡率は3倍といわれています。
多胎は排卵誘発薬や体外受精の普及により、増加傾向にありました。ですが、多胎は単胎に比べ早産率、低出生体重児および新生児仮死の頻度、帝王切開率が有意に高いといわれています。
早産は単胎に比べてリスクが10〜15倍であり、低出生体重児は三胎で85.0%に見られます。子宮内胎児発育不全は、リスクが単胎の10倍となっています。
また、母胎に関しても、多胎妊娠では子宮による大静脈の圧迫、横隔膜挙上による呼吸ポンプ作用の低下などにより深部静脈血栓症の発症頻度が高くなってしまいます。前期破水、尿路感染症、前置胎盤、羊水過多症が高率となってきます。
そのため、日本産科婦人科学会は4月12日の総会で、双子など多胎妊娠を防ぐため、不妊治療の体外受精でできた受精卵を子宮へ戻す数について「原則1個とし、35歳以上、または2回以上続けて妊娠できなかった女性などには2個戻すことも許容する」という案を正式決定しています。
多胎妊娠における治療としては、以下のようなものがあります。
多胎妊娠では、まず早産予防が重要となります。合併症に妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児発育遅延、HELLP症候群などがあり、できるだけ胎児の成熟をはかって娩出させるには、切迫早産の治療が必要となります。
入院などをして安静臥床することで、子宮収縮は軽減し、子宮胎盤血流量は増加して胎児の発育環境は良好となります。子宮収縮が増加して切迫早産の診断が下されれば、早産治療に準じて塩酸リトドリンによる子宮収縮抑制を考えます。また、繰り返した流早産歴、頸管無力症の既往やその診断を下せば、頸管縫縮術を行います。
分娩に関しても、1絨毛膜1羊膜双胎、上記のような三胎以上のケースでは、帝王切開術を考慮します。
無事帰宅することができて、今後もすくすくと育っていって欲しいと思われます。
【関連記事】
仰天ニュース系の症例集
体外受精における受精卵、原則1個に−日本産科婦人科学会
入院などをして安静臥床することで、子宮収縮は軽減し、子宮胎盤血流量は増加して胎児の発育環境は良好となります。子宮収縮が増加して切迫早産の診断が下されれば、早産治療に準じて塩酸リトドリンによる子宮収縮抑制を考えます。また、繰り返した流早産歴、頸管無力症の既往やその診断を下せば、頸管縫縮術を行います。
分娩に関しても、1絨毛膜1羊膜双胎、上記のような三胎以上のケースでは、帝王切開術を考慮します。
無事帰宅することができて、今後もすくすくと育っていって欲しいと思われます。
【関連記事】
仰天ニュース系の症例集
体外受精における受精卵、原則1個に−日本産科婦人科学会