読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
この相談に対して、神尾記念病院病棟医長である石井賢治先生は以下のようにお答えになっています。
副鼻腔は、鼻腔をとり囲む骨の内部に発達した空洞で、鼻腔に通ずる開口部をもちます。副鼻腔には、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞があります。
副鼻腔は、鼻腔の粘膜のつづきによって内面をおおわれていますが、粘膜は鼻腔よりも薄く、線毛も丈が低いという特徴があります。鼻腔と交通するため、内部に空気を含んでおり、鼻粘膜の炎症が起こると、そこから炎症が波及して副鼻腔炎をきたしやすいです。
慢性副鼻腔炎とは、急性副鼻腔炎から移行して、一般的には3ヶ月以上持続、または徐々に悪化する粘性・粘膿性鼻漏が認められる状態を指します。症状としては、膿性鼻漏(鼻からウミが出てくる)、鼻閉(鼻づまり)、嗅覚障害などが生じ、自然孔の閉塞が生じると頬部痛、頭重感も強く訴えることがあります。また、炎症が頭蓋腔や眼窩に波及することもあります。
治療に関しては、石井先生は以下のようにご説明なさっています。
上記のように抗生物質投与などで保存的治療を行います。それでも改善が見られなかった場合(2ヶ月など)、手術を行うことを考えます。ただし、マクロライド療法の有効性は、本来の抗菌作用ではなく、抗炎症作用、免疫調節作用、粘液分泌調節作用などによるものが大きいです。
手術の適応となるのは
最近では、鼻内より内視鏡を用いた、粘膜保存型の手術が行われます。骨肥厚が顕著な場合や、病変が著しく高度な場合には、Caldwell Luc法(上記に書かれている、口内の歯茎の上を切り開き、ほお内側の炎症を起こした部分を取り除く手術)による根本手術が行われることもあります。
上記のケースでは、まずはしっかりと、耳鼻咽喉科を受診して内服治療をすることが勧められると思われます。
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副鼻腔炎(蓄膿症)の内視鏡手術とは
6歳の娘が2年前から鼻づまりがひどくなり「副鼻腔炎」と診断されました。それほど苦しそうでないので今は通院していません。そのころから口臭もひどくなりましたが、鼻の症状と関係がありますか。
この相談に対して、神尾記念病院病棟医長である石井賢治先生は以下のようにお答えになっています。
鼻の穴(鼻腔)の周囲には副鼻腔といわれる空洞があり、鼻腔とつながっています。風邪をひいて細菌やウイルスが感染し、鼻の粘膜に炎症が起こると、鼻腔と副鼻腔の交通路がふさがってしまい、ウミがたまります。この状態が続くと慢性副鼻腔炎(蓄のう症)と言われます。
症状としては、まず粘膜が腫れているので、鼻づまりが起こります。腫れた粘膜が成長して鼻茸(ポリープ)ができてしまうこともあります。
ご質問の口臭は、ウミが鼻腔を伝ってのどに下がってくると起こります。そうなると、口臭だけでなく、のどや気管支に炎症を起こす可能性もあります。鼻の後ろの方にある耳管の入り口に炎症を起こせば、中耳炎の原因になります。
副鼻腔は、鼻腔をとり囲む骨の内部に発達した空洞で、鼻腔に通ずる開口部をもちます。副鼻腔には、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞があります。
副鼻腔は、鼻腔の粘膜のつづきによって内面をおおわれていますが、粘膜は鼻腔よりも薄く、線毛も丈が低いという特徴があります。鼻腔と交通するため、内部に空気を含んでおり、鼻粘膜の炎症が起こると、そこから炎症が波及して副鼻腔炎をきたしやすいです。
慢性副鼻腔炎とは、急性副鼻腔炎から移行して、一般的には3ヶ月以上持続、または徐々に悪化する粘性・粘膿性鼻漏が認められる状態を指します。症状としては、膿性鼻漏(鼻からウミが出てくる)、鼻閉(鼻づまり)、嗅覚障害などが生じ、自然孔の閉塞が生じると頬部痛、頭重感も強く訴えることがあります。また、炎症が頭蓋腔や眼窩に波及することもあります。
治療に関しては、石井先生は以下のようにご説明なさっています。
治療は、一般にはマクロライド系の抗生物質を少量投与すると同時に、粘膜の炎症を抑え、鼻水を出しやすくする薬なども使います。アレルギー性鼻炎を伴うなら、抗アレルギー剤も必要です。
大抵の子どもは薬で治りますが、治療期間は、通常3ヶ月以上かかります。症状が良くなっても、副鼻腔の炎症が残っていると、しばらくすると、また元に戻ってしまうので、しっかり治るまで治療を行う必要があります。
副鼻腔炎を放置しておくと、重症化して、大人になってから手術をすることにもなりかねません。まずは、改めて耳鼻咽喉科で診察を受けて下さい。
上記のように抗生物質投与などで保存的治療を行います。それでも改善が見られなかった場合(2ヶ月など)、手術を行うことを考えます。ただし、マクロライド療法の有効性は、本来の抗菌作用ではなく、抗炎症作用、免疫調節作用、粘液分泌調節作用などによるものが大きいです。
手術の適応となるのは
・鼻中隔彎曲など鼻腔形態異常を合併するとき
・眼・脳合併症のあるとき
・腫瘍の合併が否定され得ないとき
最近では、鼻内より内視鏡を用いた、粘膜保存型の手術が行われます。骨肥厚が顕著な場合や、病変が著しく高度な場合には、Caldwell Luc法(上記に書かれている、口内の歯茎の上を切り開き、ほお内側の炎症を起こした部分を取り除く手術)による根本手術が行われることもあります。
上記のケースでは、まずはしっかりと、耳鼻咽喉科を受診して内服治療をすることが勧められると思われます。
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副鼻腔炎(蓄膿症)の内視鏡手術とは