読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
この相談に対して、日本家族計画協会(クリニック所長)である北村邦夫先生は、以下のようにお答えになっています。
女性ホルモンとしては、エストロン、エストラジオール、エストリオールなど約30種の天然エストロゲンが発見されており、それらと同様の生物学的活性を有する多くの合成エストロゲンが作られています。エストロン0.1μgのもつ生物学的作用を、1IU(国際単位)としてエストロゲンの生物学的活性の単位として示しています。
エストロゲンは、主として卵巣から分泌されますが、副腎、胎盤、脂肪組織などからも分泌されます。エストロゲンの機能としては、その受容体を介して働き、思春期では子宮、腟、外陰、乳房などの発育を促し、二次性徴の発現に重要な役割を果たしています。その後、成熟女性になると、プロゲステロンとともに一定の性周期を成立させ、腟粘膜の変化や子宮内膜の増殖を促します。
臨床的に用いる場合、以下のようなことがいえると思われます。
胸が小さいので、ずっと悩み続けています。女性ホルモンを服用すると副作用で胸が大きくなると聞きました。豊胸の目的で、女性ホルモンを服用することはできるのでしょうか。(埼玉・47歳女性)
この相談に対して、日本家族計画協会(クリニック所長)である北村邦夫先生は、以下のようにお答えになっています。
乳房は9割の脂肪と1割の乳腺で構成されています。妊娠すると乳房が一回り大きくなるのは育児に備えての一時的な反応であって、授乳をやめれば元のサイズに戻ってしまいます。
性同一性障害で治療を希望する男性が女性ホルモンを服用すると乳房が大きくなることが知られているために、女性であっても同様のことが起こるのではないか、と考えるのは至極当然です。
しかし、この時に男性が服用する女性ホルモンの量は、女性が避妊などの目的で使う低用量経口避妊薬(ピル)の10倍近くもあります。男性ホルモンが優位な男性だから、さほど副作用も表れませんが、女性では激しい嘔吐や不正性器出血などの副作用が表れ、とても飲める量ではありません。このように、豊胸目的で女性ホルモンを服用することには無理があるのです。
女性ホルモンとしては、エストロン、エストラジオール、エストリオールなど約30種の天然エストロゲンが発見されており、それらと同様の生物学的活性を有する多くの合成エストロゲンが作られています。エストロン0.1μgのもつ生物学的作用を、1IU(国際単位)としてエストロゲンの生物学的活性の単位として示しています。
エストロゲンは、主として卵巣から分泌されますが、副腎、胎盤、脂肪組織などからも分泌されます。エストロゲンの機能としては、その受容体を介して働き、思春期では子宮、腟、外陰、乳房などの発育を促し、二次性徴の発現に重要な役割を果たしています。その後、成熟女性になると、プロゲステロンとともに一定の性周期を成立させ、腟粘膜の変化や子宮内膜の増殖を促します。
臨床的に用いる場合、以下のようなことがいえると思われます。
月経異常の治療、更年期障害、骨粗鬆症、男性ならば前立腺癌に対するホルモン療法などに用いられます。ただ、エストロゲン依存性腫瘍(乳癌、子宮内膜癌など)や、その疑いがある場合では、腫瘍の悪化あるいは顕性化を促してしまうといわれています。
そのため、使用前には病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診を行い、使用開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行う必要があります。また、血栓症が現れることもあります。乳癌に関して、北村先生は以下のように仰っています。
乳癌患者のうち、乳房のエックス線(マンモグラフィ)などを使った検診で癌が見つかったのは2割に過ぎず、4人に3人は、検診を受けずに自分でしこりなどの異常に初めて気づいて病院を受診したことが、日本乳癌学会の大規模調査でわかっています。
これは、多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、ほとんどが自分で「しこり」に気づいたため、との結果のようです。検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと判明しました。
その原因としては、乳癌検診の受診率が低いままで、「しこりが無ければ大丈夫」と思われる女性が多いと考えられます。ですが、「胸を触る自己診断で見つかる乳がんの大きさは平均約2センチで、自然に気づく場合は3センチ以上が多い」といったことや、「発見時には既に、リンパ節に転移していた人も、1/3」といったことからも、検診率の上昇を目指す必要があります。
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そのため、使用前には病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診を行い、使用開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行う必要があります。また、血栓症が現れることもあります。乳癌に関して、北村先生は以下のように仰っています。
かつてキャベツをたくさん食べると乳房が大きくなると話題になったことがあります。乳房のサイズを大きくする食べ物やサプリメント(栄養補助食品)があれば、多くの女性にとって朗報かもしれませんが、本人の遺伝的素因を超えて乳房のサイズを変化させる物質は残念ながら発見されていません。
それよりも、まんべんなく乳房に触れて「いつもと違う」と感じたら、乳房検診に行かれることをお忘れなく。増え続ける乳がんから身を守るには、早期発見が最も大切です。
乳癌患者のうち、乳房のエックス線(マンモグラフィ)などを使った検診で癌が見つかったのは2割に過ぎず、4人に3人は、検診を受けずに自分でしこりなどの異常に初めて気づいて病院を受診したことが、日本乳癌学会の大規模調査でわかっています。
これは、多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、ほとんどが自分で「しこり」に気づいたため、との結果のようです。検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと判明しました。
その原因としては、乳癌検診の受診率が低いままで、「しこりが無ければ大丈夫」と思われる女性が多いと考えられます。ですが、「胸を触る自己診断で見つかる乳がんの大きさは平均約2センチで、自然に気づく場合は3センチ以上が多い」といったことや、「発見時には既に、リンパ節に転移していた人も、1/3」といったことからも、検診率の上昇を目指す必要があります。
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