イギリスである40歳の男性が、夜間の仕事中に突然心臓発作を起こして死亡した。この男性は毎晩多量のスタミナドリンクを飲んでおり、それが突然死の原因ではないかと疑われている。イギリスのメディア「デイリーテレグラフ」が24日の報道で伝えた。

伝えられたところによると、男性は2003年から死亡時の2006年9月まで、イギリス国内のあるスーパーで働いていた。男性は毎日夜間のシフトで仕事をしている際、大量のスタミナドリンクを飲んでいたという。死亡した当日の夜は、少なくとも4缶も飲んでいたということだ。

伝えられたところによると、男性が飲んでいたスタミナドリンクにはコーヒー1杯に相当する量のカフェインが含まれている。ドリンクを製造しているメーカーは、ドリンクは実験で安全な飲料であることが証明されているとしているが、1日に2缶を超えた量を飲まないように、とも注意を呼びかけている。
(「スタミナドリンク」がぶ飲みした男性が謎の突然死)


心臓発作は心臓発症ともいい、急性心筋梗塞、不安定狭心症あるいは突然死など、きわめて重篤な病態が突然に発症することを指します。多くは、突然の冠血流量低下による心筋虚血や、重篤な不整脈が原因で起こると考えられます。

上記の原因が、本当にカフェインの大量摂取によるものなのかは分かりませんが、過量投与により、循環器症状(不整脈、血圧上昇など)、精神神経症状(痙攣、昏睡)、呼吸器症状(呼吸促進、呼吸麻痺など)の増悪を起こすことがあります。

一般的に、コーヒー1杯に100〜150mgのカフェインが含まれていますので、亡くなった男性は、毎日400〜600mgも摂取していたと考えられます。

たしかに、カフェインは大脳皮質を中心として中枢神経系を興奮させ、脳幹網様体の賦活系を刺激することにより知覚が鋭敏となり、精神機能が亢進されて眠気・疲労感が除去されるという作用があります。

そのため、眠気や倦怠感を訴える患者さんに投与されることもあります(1回0.1〜0.3g 1日2〜3回)。無水カフェインとして、一般消費者向けの総合感冒薬に入っていることが多いです(催眠性の強い抗ヒスタミン剤の副作用を緩和する目的)。

ですが、1g以上の摂取は、思考が混乱したり、不整脈などを生じ、10g以上では痙攣発作や死に至る可能性もあります。

中枢神経系以外の作用としては、以下のようなものがあります。  
上記でも触れましたが、血管系に対する作用として、末梢の血管平滑筋に直接作用し、血管を拡張させます。心臓に直接作用し、心筋の収縮力を増強し、冠動脈を拡張します。また、脳細動脈においては、直接作用して脳血管を収縮し、抵抗性を増加させて脳血流量を減少させます。 

腎臓に対する作用としては、糸球体の輸入血管拡張と尿細管への直接作用によるNaイオンやClイオンの再吸収抑制により、利尿作用を示します(コーヒーを飲むと、トイレが近くなる、というわけです)。また、胃液分泌を増大させます(胃液分泌を促進するため)。

上記のケースでは、男性がどのような状態にあったのかなど、詳細は不明でありよくは分かりません。ですが、たしかにカフェインの長期間に渡る摂りすぎは、体に影響がありそうです。注意なさったほうがいいかも知れませんね。

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