米カリフォルニア州ロングビーチの17歳の少女が自宅で秘かに出産し、新生児がへその緒で繋がれたままの状態で歩いて病院にやって来た。

産気づいたときは「ちょっとだけナーバスになりました」と、ゾーチル・ペラさんは金曜日、セントメリー医院で、体重8ポンド3オンスの息子アレハンドロをあやしながら語った。

新生児集中治療施設の責任者ホセ・ペレス医師は、新生児は健康で、「チャンピオンみたいに食べている」と述べた。

ペラさんは水曜日の午前5時半頃、登校前にシャワーを浴びていたら陣痛がはじまったと語る。「彼の頭が来るのを感じたので、彼が出てこられるように座っていきみました」と彼女は言った。

家の電話は繋がらなくなっていたので、彼女は救急車を呼ばなかった。それに朝早くだったので、近所の人々を起こしたくなかった。彼女は赤ちゃんを包み、服を着て4区画を歩いて病院へ向かった。「私は早足で病院に向かいました」と、彼女は語る。

ペラさんは病院の受付で助けを求めた。
「彼女はまだ胎盤を出しておらず、子どももそこに繋がっていたので、当然誰もが『動かないで!』と言いました」と、ペレス医師は語った。

彼はペラさんの迅速な行動を讃えている。
「ふたりは出血で死んでいたかもしれません。 そうならなかったのを神に感謝すべきです」と、彼は言う。 「彼女は非常に賢かった。彼女は何をしたらよいかわかっていました。彼女は赤ん坊を包み、ここまで歩いてきました」

ロングビーチ高等専門学校2年生のペラさんは、母親が「自分を家から追い出す」のを恐れて、妊娠を秘密にしていたと語った。 ペラさん曰く、母親はいま状況を受け入れ、彼女が学校に通い続けられるよう子どもの面倒を見るのを手伝うつもりでいるそうだ。

ペレス医師は、結果は「ハートウォーミング」だと述べた。
「私たちはティーンエイジャーたちが自分の赤ん坊をゴミ箱に捨ててしまう暗いニュースをたくさん耳にしています。しかしこの赤ん坊は元気で、ハッピーな拡大家族のもとに収まることになりそうです」
(17歳少女が自宅出産、赤ちゃんが繋がったまま徒歩で病院へ)


分娩開始は、日本産科婦人科学会の規約で「陣痛周期10分以内、あるいは陣痛頻度1時間6回以上の陣痛開始時期をもって臨床的な分娩開始時期とする」と定められています。

最終月経の開始日の第1日を妊娠0日とし、以後の妊娠週数は満で算定して、妊娠40週0日をもって分娩予定日としています。区分けとして、妊娠37週0日〜42週未満の分娩を正期産、22週0日〜37週未満を早産、42週0日以後は過期産といいます。

全分娩経過は、第1期〜第3期、ときに第4期までに分けられる。
?第1期(開口期):分娩開始から子宮口全開大に至るまでで、破水はこの時期の末期あるいは経過中に起こる。
?第2期(娩出期):子宮口が全開大してから児娩出に至るまでをいう。
?第3期(後産期):胎児娩出から胎盤娩出までをいう。
?第4期:胎盤娩出後1〜2時間を指し、後出血の測定、急性変化の発見に役立つ。

全分娩所要時間(第1〜3期)は初産婦約15時間、経産婦約8時間であるが、初産婦で30時間、経産婦で15時間以上経過しても児娩出とならないものは遷延分娩とされており、分娩進行上、何らかの異常の存在が推定される。

上記のケースで考えれば、第2期までは進行していましたが、胎盤が娩出されておらず、第3期にあったと考えられます。

第3期では、児娩出に続いてただちに新生児介助と、胎盤娩出を行う必要があります(10〜30分で終了)。子宮内の胎盤が剥離すると、子宮底が上昇し、陰裂から脱出している臍帯の脱出部が延長する、などの胎盤剥離の徴候がみられます。

胎盤が娩出されたら、両手に受け、卵膜の遺残が起こらないようにゆっくり回転させながら胎盤を娩出させます(自然に胎盤娩出が起きなければ、胎盤剥離徴候が認められてから臍帯を弱く引いて、胎盤娩出を促す)。

その後の経過は、以下のようになります。
第4期は、第3期終了後1〜2時間を指し、分娩後の母体の急変などの観察を行います。第3期終了後2時間は、子宮体部からの弛緩出血や、軟産道の裂傷からの出血がみられることが多く、そのため、分娩室での観察が必要となります。

この頃の管理としては、会陰裂傷の処理、清拭、安静、悪露の測定、導尿、バイタルサイン測定などがあり、この時期に異常がなければ分娩台からベッドに戻ることになります。

上記のケースでは、無事に妊娠・出産が終わったようですが、定期的な検診を受けず、飛び込み出産、というのはやはりリスクが高まると考えられます。その理由として、何週目か分からない胎児は出産後の扱いが予測できず、危険な状態になっても対処しづらく、死亡率も高まる。また、妊婦なら必ず受ける感染症の検査も受けていない、といったことがあげられます。

国内でも飛び込み出産、そして病院側が受け入れができず、たらい回しにされてしまう、というケースが問題になっています。リスクが高い妊娠・出産を引き受ける中核施設として、全国に60カ所余り設置されている総合周産期母子医療センターの診療態勢を厚生労働省研究班が調べたところ、回答施設の約2割が、脳出血など産科以外の妊産婦の急性疾患は「受け入れ不可能」とし、態勢に不安があることが分かっています。

特に若年者の妊娠は社会的・経済的に多くの問題を抱えていますが、それでもしっかりとした対応・相談を行い、生まれてくる子供のためにも行動していただきたい、と思われます。

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