腹痛を訴えてギリシア中部の病院に入院した少女の腹部から胎児が発見された。

ラリッサ総合病院によると、少女の右腹部が腫瘍でふくれていたため、外科手術で腫瘍を除去した。その腫瘍の内部を調べてみたところ、体長5センチほどの胎児が入っていたという。少女は全快する見込み。

同病院の小児科部長によると、少女の双子の兄弟である胎児には頭、頭髪、目があったが、脳と臍帯はない状態だった。同部長によると、双子の胎児の片方が、子宮内でもう片方を吸収するのは50万分の1の確率で発生するという。
(少女の腹部の腫瘍内に体長5センチの胎児が……)


結合体とは、双児の身体の一部分が結合したもので、対称性二重体と非対称性二重体(寄生性二重体)とに分類されます。対称性二重体は、両児が結合していて、それぞれの身体は均等かつ対称性に発育した場合をさします。いわゆるシャム双生児などといわれる状態です。

対称性二重体は、結合面に存在する臓器を共有していたり融合しています。両児間の血管の吻合があり、臍帯は腹側で結合している場合は1本のことが多いとのことです。
非対称性二重体は、上記の通り寄生性二重体のことを指しています。

一方、非対称性二重体(寄生性二重体)とは、連絡している二重体のうちで、一方の個体の発育は良好で、他方の発育が不良で前者に付属しているようにみえる状態を指します。

非対称性二重体は、結合している場所によって上顎体、寄生的頭蓋結合体、上腹体、寄生的胸結合体、仙骨部寄生体および封入胎児と分類されています。

上記のケースのような封入胎児は、以下のような場合を指します。
封入胎児とは、一方の児の発育が極端に悪く、他方の発育良好な胎児内に寄生したように発育します。自生体の腹腔・腹膜内をはじめ、眼窩内、胸腔・縦隔内に存在することが多いといわれています。上記のケースでは、腹腔内に存在していたようです。

発生の様子は、通常の児に近い分化をきたした個体として認められることもありますが、多くは正常な分化を示しません。

上記のケースでも、頭、頭髪、目がありましたが、脳と臍帯はない状態だったようです。奇形腫の形をとり、まれに悪性奇形腫へ移行することもあります。上記のケースでは少女は無事であり、幸いだったと思われます。


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