2005年1月16日、ルーマニアの元大学教授・アドリエンヌさん(67)が、帝王切開で娘を出産した。世界最高齢の母親となったアドリエンヌさんは今年5月31日、70歳の誕生日を迎えている。今年3つになる娘と歩いてる姿は、まるでおばあちゃんと孫娘だ。
大学で歴史を教えていたアドリエンヌさんは、子供向けの読み物も作ったことがある。母親になる夢をかなえるため、58歳のとき、9年間に及ぶホルモン注射と不妊治療、2回に及ぶ人工授精を行ったが、いずれも失敗した。しかし04年5月、再度人工授精を受けたところ、手術は成功し、双子を妊娠したという。
05年1月にエコー検査を受けたところ、双子の胎児のうちの一方が死んでるのが確認された。05年1月16日、もう一方の胎児を助けるため、緊急の帝王切開手術を実施。女の赤ちゃんが無事に生まれたという。
しかし、67歳の女性が子供を生んだことは、世界の医学界・倫理界にとって大きな衝撃となった。倫理専門家は「67歳の女性の妊娠は非常に利己的な決定だ」と反発している。子供が小学校に上がったとき、母親は70歳以上。クラスメートの母親と20歳余りの年の差があるのは、子供にとって大きな心理的負担となる、というのがその理由だ。
48歳で子供を生んだイギリスのある大学教授は、次のように述べている。「67歳での出産は、非常に難しい挑戦だ。私は彼女より10歳年下だが、子供を育てるのは体力的・精神的にも非常に大変だと感じた。それに、年老いた保護者は子供に安心感をあたえることが出来ない。本当にいつ死ぬか分からないからだ」。
(67歳女性が出産、医学界・倫理界から疑問の声)
人工授精(artificial insemination with husband's sperm:AIH)とは、排卵日に合わせて女性の体内に精子を注入する治療です。具体的には、比重遠心法やスイムアップ法で、精漿成分や病原体の除去と運動良好精子の濃縮を行い注入します。
軽症〜中等症の男性不妊、PCT異常(性交後検査 post coital test;PCT)、原因不明不妊が適応で、当然ですが卵管機能は正常(排卵が起こり、妊娠可能な状態であることが必要)なことが条件となります。
上記の説明では、67歳でも閉経していないということになります。閉経とは、卵巣の活動性が徐々に消失し、永久に月経が停止することを指します。通常、50歳前後で起こります。満55歳以降に初めて閉経するものを遅発閉経といい、67歳で起こっていないということは考えにくいのではないでしょうか。
今年の3月に、諏訪マタニティークリニック院長の根津八紘医師が、子宮がない娘夫婦の受精卵を使い、50代後半の母親が代理出産を実施し男児1人が生まれたと明らかにしました。
このケースは体外受精による代理出産となります。体外受精とは、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法です。受精し、分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)といいます。卵子を採取し(採卵)、体外で精子と受精させ(媒精、顕微授精)、培養した胚を子宮腔に戻します(胚移植)。
具体的には、以下のようなものを指します。
大学で歴史を教えていたアドリエンヌさんは、子供向けの読み物も作ったことがある。母親になる夢をかなえるため、58歳のとき、9年間に及ぶホルモン注射と不妊治療、2回に及ぶ人工授精を行ったが、いずれも失敗した。しかし04年5月、再度人工授精を受けたところ、手術は成功し、双子を妊娠したという。
05年1月にエコー検査を受けたところ、双子の胎児のうちの一方が死んでるのが確認された。05年1月16日、もう一方の胎児を助けるため、緊急の帝王切開手術を実施。女の赤ちゃんが無事に生まれたという。
しかし、67歳の女性が子供を生んだことは、世界の医学界・倫理界にとって大きな衝撃となった。倫理専門家は「67歳の女性の妊娠は非常に利己的な決定だ」と反発している。子供が小学校に上がったとき、母親は70歳以上。クラスメートの母親と20歳余りの年の差があるのは、子供にとって大きな心理的負担となる、というのがその理由だ。
48歳で子供を生んだイギリスのある大学教授は、次のように述べている。「67歳での出産は、非常に難しい挑戦だ。私は彼女より10歳年下だが、子供を育てるのは体力的・精神的にも非常に大変だと感じた。それに、年老いた保護者は子供に安心感をあたえることが出来ない。本当にいつ死ぬか分からないからだ」。
(67歳女性が出産、医学界・倫理界から疑問の声)
人工授精(artificial insemination with husband's sperm:AIH)とは、排卵日に合わせて女性の体内に精子を注入する治療です。具体的には、比重遠心法やスイムアップ法で、精漿成分や病原体の除去と運動良好精子の濃縮を行い注入します。
軽症〜中等症の男性不妊、PCT異常(性交後検査 post coital test;PCT)、原因不明不妊が適応で、当然ですが卵管機能は正常(排卵が起こり、妊娠可能な状態であることが必要)なことが条件となります。
上記の説明では、67歳でも閉経していないということになります。閉経とは、卵巣の活動性が徐々に消失し、永久に月経が停止することを指します。通常、50歳前後で起こります。満55歳以降に初めて閉経するものを遅発閉経といい、67歳で起こっていないということは考えにくいのではないでしょうか。
今年の3月に、諏訪マタニティークリニック院長の根津八紘医師が、子宮がない娘夫婦の受精卵を使い、50代後半の母親が代理出産を実施し男児1人が生まれたと明らかにしました。
このケースは体外受精による代理出産となります。体外受精とは、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法です。受精し、分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)といいます。卵子を採取し(採卵)、体外で精子と受精させ(媒精、顕微授精)、培養した胚を子宮腔に戻します(胚移植)。
具体的には、以下のようなものを指します。
まず複数の成熟卵子を採取するため、内因性ゴナドトロピンをGnRHアゴニストで抑制しつつFSH/hMG製剤にて卵胞発育を促します。主席卵胞径が18mmに達したら、FSH/hMG製剤を終了し、LHサージの代用となるhCG製剤を投与して卵成熟を促します。
hCG投与の34−36時間後に、採卵します。局所麻酔または静脈麻酔のもと経腟超音波ガイド下に卵胞を穿刺し、卵胞液とともに卵子を吸引します。
卵子を2〜4時間培養した後、最終運動精子濃度が10万/mL程度になるよう精子浮遊液を加えて媒精します。顕微授精では、第2減数分裂中期に達した成熟卵に対してICSI(卵細胞質内精子注入法)を行います。
その後、培養していきますが、胚盤胞の孵化が始まる6日目以降の胚移植では、妊娠率が低下するため、臨床的に培養期間は5日間が限界となります。胚移植は、カテーテルに形態良好胚を入れ、経頸管的に子宮腔に注入することになります。
人工授精、体外受精のいずれにせよ、67歳の女性が子供を産んだことに代わりはありません。今後も起こりうるケースであり、そのことが社会的に与えた影響というのは大きいと思われます。
【関連記事】
不妊症・不妊治療のまとめ
不妊症治療の進め方−タイミング法
hCG投与の34−36時間後に、採卵します。局所麻酔または静脈麻酔のもと経腟超音波ガイド下に卵胞を穿刺し、卵胞液とともに卵子を吸引します。
卵子を2〜4時間培養した後、最終運動精子濃度が10万/mL程度になるよう精子浮遊液を加えて媒精します。顕微授精では、第2減数分裂中期に達した成熟卵に対してICSI(卵細胞質内精子注入法)を行います。
その後、培養していきますが、胚盤胞の孵化が始まる6日目以降の胚移植では、妊娠率が低下するため、臨床的に培養期間は5日間が限界となります。胚移植は、カテーテルに形態良好胚を入れ、経頸管的に子宮腔に注入することになります。
人工授精、体外受精のいずれにせよ、67歳の女性が子供を産んだことに代わりはありません。今後も起こりうるケースであり、そのことが社会的に与えた影響というのは大きいと思われます。
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