タレントでザ・ドリフターズのメンバー、高木ブー(75)が27日、東京・高輪のホテルパシフィックで行う予定だったライブ出演を急病のため取りやめていたことが同日、分かった。

ウクレレ奏者としてアルバムを出すなど日本でも有数の腕前を持つ高木は、平成8年にハワイアンバンド「高木ブー&ニューハロナ」を結成。以来、都内を中心に演奏会を行ってきた。

27日も同ホテルでライブを開催する予定だったが、同ホテル関係者によると、同日昼に高木の所属事務所から「大腸炎のような症状で体調を崩し大事をとって安静にする」との連絡が入ったという。
(高木ブー、大腸炎で倒れる…ライブ出演急きょ取りやめ)


大腸炎大腸炎(盲腸炎、結腸炎、S状結腸炎、直腸炎、虫垂炎)では、腸管に発赤やびらん、時に潰瘍形成や出血がみられます。原因として病原大腸菌などの感染性腸炎によるものや、薬剤性大腸炎、偽膜性大腸炎、放射線腸炎、潰瘍性大腸炎などがあります。

一般的に腸炎は、病気の経過により急性腸炎と慢性腸炎とに分けられます。急性腸炎は、臨床的には下痢、悪心・嘔吐、腹痛などの症候を呈し、1〜2週の急性の経過をとるものを指します(病理学的には腸管の急性炎症性変化に対して使用される)。

急性腸炎の原因の多くは急性細菌性感染(細菌性食中毒に代表される)であり、乳幼児ではウイルス性感染、食品、抗生物質などがあります。食品による集団発生では、サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、腸管出血性大腸菌の頻度が高いです。

最も頻度の高いサルモネラは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの食肉が原因となります。腸炎ビブリオは生の魚介類を摂取で起こり、7〜9月の夏に多い食中毒です。カンピロバクター腸炎は主に鶏肉が原因となります。

非感染性腸炎では薬物、寒冷刺激、神経性、アレルギー性、暴飲暴食によるものなどがあります。

薬物性腸炎では、薬物によって腸内細菌叢の変化や腸粘膜に炎症、びらん、潰瘍を生じたり虚血を起こすため、下痢や下血をきたします。原因となる薬物は非ステロイド性抗炎症薬や抗菌薬などがあります。

非感染性のものでアレルギー性腸炎は小児に多く、特定の食物を摂取した場合に過敏性症状を呈します。症状としては下痢、嘔吐、腹痛が一般的です。

診断としては、以下のように行います。
腸炎の診断には病歴と自覚症状の聴取、他覚所見と糞便性状の把握が重要となります。便潜血反応、虫卵、SudanIII反応、細菌培養、ラテックス凝集反応(ロタウイルス、アデノウイルスに対しては糞便よりラテックス凝集反応やEIAを用いた診断用のキットが市販され、迅速な診断が可能)、さらに画像検査を総合して診断していきます。

一般に、主に小腸に病変があるときは下痢量は多く水様性で、腹痛は心窩部から臍部にみられます。主に大腸に病変があるときは、便量は比較的少なく、粘液を混じ、しばしば血液や膿をまじえ、腹痛は下腹部にみられます。

下痢が数日間持続する場合や出血を伴う場合には、下部消化管内視鏡の適応となります。細菌性の場合、末梢血白血球数の増加は著明ではなく、ウイルス性はリンパ球優位の白血球増多のみられることがあります(特異的ではありませんが)。

鑑別すべき疾患としては、虚血性腸炎、大腸憩室炎、大腸憩室炎などがあります。虚血性腸炎では突然の腹痛と、鮮血の混じった下痢が特徴で、好発部位はS状結腸で左下腹部に腹痛をきたすことが多いです。大腸憩室炎では、緩徐に起こるまたは突然の腹痛を特徴とし、S状または上行結腸に好発するため、左または右下腹部痛を特徴とします。過敏性腸症候群では、慢性の便通異常と腹痛を特徴とします。

細菌性・非細菌性の急性腸炎では、発症は一般に急激ですが、一般に予後は良好であるといわれています(脱水・発熱・貧血など全身症状の強い場合では、時に予後不良)。ご高齢ということもあり、ゆっくりと静養なさって、十分に回復してから復帰していただきたいと思われます。

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